コンビニとコミケに意外な共通点――売れる商品と陳列の関係ご一緒に“おでん”いかがですか(1/5 ページ)

» 2014年06月20日 08時00分 公開
[川乃もりや,Business Media 誠]

著者プロフィール・川乃もりや:

 コンビニ本部で社員をして10年余り、いわゆるスーパーバイザーなるものを経験し、何を思ったか、独立オーナーに転身した。齢40にして、自分の仕事についての足跡を残したくなり、Webサイト「コンビニ手稿」と、誠ブログ「とあるコンビニオーナーの経営談議を始める。

 旅行とお酒が大好きだが、コンビニ経営をしていると、なかなか旅行に行く時間がとれない。その一方で、アルコールの量は増えるばかり。


ご一緒に“おでん”いかがですか:

 多くの人が一度は利用したことがある「コンビニ」。決して大きなスペースではないが、そこで何が起きているのだろうか。陳列台にはたくさんの商品が並んでいるが、何が売れているのか、またなぜ売れているのか。コンビニの現在と過去を紐解きながら、ちょっとした“謎”に迫っていく。

 筆者は大手コンビニの本部社員として活躍し、現在では店舗を構えるオーナー。コンビニの表と裏を見てきた者だけにしか書けないコラムはいかがですか?


 先日こんなニュースを目にした。『小林幸子がニコニコ動画に引き続き、夏コミに参戦!? コミケの風紀維持に懸念の声も…(参照リンク)』――。

 コミックマーケットに歌手の小林幸子さんがブースを設けるらしい。記事によると、小林幸子さんが登場することで混乱が起きるかもしれない、といったことが書かれているが、筆者はコミケには行ったことがないので、事情がよく分からない。しかし、記事に気になることが書かれていた。

 (小林幸子さんがブースを設置するかもしれない)スペースは「東シ88b」という壁際の場所。コミケで壁に配置されるというのは、これまでにコミケでの実績があったり、人気のあるサークルであることが多く、まず初参加で壁際に配置されることはほとんどない。だがしかし、有名人が参加となると混雑を予想して壁に配置されることがあるようだ。

 どうやら壁際にブースを設置できるのは、過去の販売実績や高い売り上げを期待できる人(または団体)に与えられるようだ。コミケ事情に詳しい人に聞いたところ、多くのお客さんが詰めかけるブースは壁代わりになっているシャッターを開けて、外に並んでもらうケースもあるという。つまり、会場内の混乱を避けるために“表”では販売せず、“裏”の広いスペースでお客さんに並んでもらうというわけだ。

 コミケの見取り図をみると、大きく分けて「壁」と「島」に分かれている。壁とは、会場の壁に沿って配置されている場所のこと。そして、何列かの島をつくり、会場を構成している。島も一括りではなく、「誕生日」という両端の場所がよいとされているようだ。誕生日という言葉は、おそらく「お誕生日席」からきたのだろう。

コミケの見取り図
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