「京都」にも引けをとらない後発「大阪検定」、人気の秘密は?受験意欲を喚起(3/3 ページ)

» 2014年06月13日 07時44分 公開
[産経新聞]
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地域への愛着高める工夫を

 こうした取り組みで人気を維持する大阪検定。12月に第11回を迎える京都検定では第1〜3回に約9800〜1万2千人が受験し、近年も5千〜6千人台を維持しているのと比べても、健闘といっていいだろう。

 一般財団法人「地域活性化センター」(東京)が21年3月にご当地検定について調査報告書をまとめた際は239団体・自治体にアンケートを発送したが、ピーク時にいくつの検定があり、現在どれだけ継続しているか、はっきりしないらしい。ただ、日本商工会議所によると、「受験者数が減った」「記念事業で始めたが、続かなかった」などの理由で休止したところもみられるといい、ブームが去ったことは間違いない。

 シンクタンク「ブランド総合研究所」(東京)の田中章雄社長は「検定自体が目的化すると、うまくいかない」として、合格を観光ボランティアガイドの登竜門にするなど地域に対する愛着を高める視点が欠かせないと指摘する。

 第2回大阪検定1級を首位でクリアするなど計3回1級に合格し、大阪府立大客員研究員として講演なども行う行(ゆき)俊(とし)良雄さん(57)は書店で検定の申込書を目にして受験し、地域のことを学ぶおもしろさに目覚めた。「阪神タイガースやお笑い、お好み焼きなどに限らない、多彩な魅力が大阪にあることが分かる」と検定の意義をPRする。

 大阪検定は、行俊さんのような地域の担い手や語り部を育成し、大阪を愛する心をはぐくみ、観光振興に役立てることを目指している。延べ1万人を超えるという合格者を、今後はいかにそうした目標に結びつけるかが問われる。

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