「京都」にも引けをとらない後発「大阪検定」、人気の秘密は?受験意欲を喚起(2/3 ページ)

» 2014年06月13日 07時44分 公開
[産経新聞]

特典充実でアピール

 最初の「ご当地検定」は15年に日本文化普及交流機構が行った「博多っ子検定」など諸説あるが、16年に京都商工会議所が始めた「京都・観光文化検定」(京都検定)に京都内外から多数の受験者数が集まったことから、各地で商工会議所や自治体が観光振興などを目指して創設、ブームになった。大商も18年ごろから大阪市や大阪府などとともに参入を検討し、21年からの実施にこぎ着けた。

 後発だけに受験意欲を高めようと、合格者には合格証だけでなく、サッカーJリーグ「セレッソ大阪」のホームサポーター席、公立の博物館や美術館の入館料、ホテルやレストランの宿泊・飲食代金などが割り引きになるといった特典を充実。提供する施設・団体の数は第1回で42だったが徐々に増え、第6回では国立文楽劇場などが加わって69となった。

 さらに造幣局など個人では難しい施設の見学会や、1級合格者が大阪府立大学で大阪観光に関する客員研究員に就任できる制度も導入。「これだけ特典が充実した検定は、ほかにまずないはずだ」と大商地域振興部の中野部長は胸を張る。

大阪検定の受験風景(大阪商工会議所提供)

受験意欲を喚起

 受験者数を増やすため、大阪に関する知識が役立つ企業・団体単位の受験も奨励。10人以上で申し込めば受験料(1級=5500円〜3級=3300円)が約1割引になるため、第6回も金融機関やホテル、タクシー会社などが団体で受験予定だ。合格者に受験料を助成したり、昇格の判断基準にしたりといった企業・団体もあるという。

 また、1級で100点満点中80点以上の合格ラインに届かなくても75点以上なら「準1級」に、中学生以下の子供や外国人留学生が3級で60点以上の合格ラインに及ばず50〜59点の場合は「4級」に認証するなど、次回の受験意欲を呼び起こす工夫もしている。

 学識者や観光関係者らが作成する問題にも、大阪らしいユーモアがうかがえる。第5回の四者択一式では、当日の受験者のうち最も多くの人が選んだ回答を正解とする「ボーナス問題」や、日本一の高層ビル「あべのハルカス」が正解の選択肢に「あべのワラカス」という“ボケ”も。1級の問題文は毎回、京子ちゃんと大ごろうくんを主人公にした恋愛もので、1級の連続受験者には続きが気になる(?)ような仕掛けが施してあるのだ。

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