1967年東京都生まれ。信州大学経済学部卒。1989年アスキー入社、パソコン雑誌・ゲーム雑誌の広告営業を担当。1996年にフリーライターとなる。PCゲーム、PCのカタログ、フリーソフトウェア、鉄道趣味、ファストフード分野で活動中。信州大学大学院工学系研究科博士前期課程修了。2008年より工学院大学情報学部情報デザイン学科非常勤講師。著書として『知れば知るほど面白い鉄道雑学157』『A列車で行こう9 公式ガイドブック』、『ぼくは乗り鉄、おでかけ日和。 日本全国列車旅、達人のとっておき33選』など。公式サイト「OFFICE THREE TREES」ブログ:「すぎやまの日々」「汽車旅のしおり」、Twitterアカウント:@Skywave_JP。
ある銀行のインターネットバンキングを利用すると、ログアウト後にこんなメッセージが表示される。
不正アクセスを察知するための手がかりとして、親切に表示してくれるわけだ。しかし、この表示を見せられるたびにガッカリする。「ログイン時間」「ログアウト時間」の表記がおかしい。ここは「ログイン時刻」「ログアウト時刻」が正しいはずだ。
もし「ログイン時間」「ログアウト時間」の表記でよしとするなら、この銀行はログインからログアウトまでの5分間をなんと呼んでいるだろう。「ログイン時間」ではないか。そうすると「ログイン時間」を2つの意味で使う状態になる。これはおかしい。
インターネットバンキングのヘルプデスクに電話で質問した。
「お忙しいところ恐縮です。御社のインターネットバンキングで、ログイン時間とログアウト時間が表示されますね。では、ログイン時間からログアウト時間までの「時間」をなんと呼びますか」
確認します、としばらく間があって、
「とくに決まっておりませんが、“ご利用中”や“アクセス中”、“つないでいる間”などとご案内しております」
とのことだった。なるほど。
いやいやいや。「なるほど」と納得している場合ではない。そこは気づいてほしい。「ご利用中」こそが「ログイン時間」だ。いま表記されている「時間」は間違っている。「時刻」だと。銀行って、私よりも優秀な人材が集まっているはずだがなあ。「時間」と「時刻」の区別もつかないとは残念だ。
そもそも「ログイン」は正しいだろうか。「ログオン」という言葉もある。どちらも同じ意味だけど、本当は「ログイン」が接続した「時刻」で、つながっている状態が「ログオン」ではないか。「オンライン」というくらいだから。つまり、この銀行の場合は「ログイン時間」と「ログアウト時間」の間が「ログオン時間」というならつじつまが合うかもしれない。IT業界ではどんな慣習なのだろう。
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