では、そんな鬼龍氏に、我々のような一般人が「被害者」にならないようなポイントを聞いてみた。まずは昨今、問題になっている未公開株などの詐欺についてだ。
「注意すべきポイントはパンフレットです。詐欺グループはとにかく相手を信用させるため、つくりものに金をかける。あまりにも立派なパンフレットを出されたら、なにか怪しいと思ったほうがいい。ただ、なによりも大切なのは、あまり欲をかかないことです。詐欺グループの間には以前、投資に負けた人の名簿などが出回っていて、そういう人を狙って『負けを取り戻しませんか?』と欲につけこんできます。株も先物取引も基本的にギャンブルです。ギャンブルというのは胴元がもうかるような仕組みになっています。おかしな欲をかかないのが一番ですよ」
さらに、鬼龍氏が警鐘を鳴らすのは、手形詐欺※(1)や小切手詐欺※(2)だ。経営難に陥った中小企業経営者や自営業者をターゲットにしたもので、古典的な手法だが、今も形を変えて残っている。
「巻き込まれないためには、絶対に裏書きをしない。白紙の手形を振り出さない。詐欺師はあの手この手で、経営者に裏書きをさせようとするが、絶対にそんな口車に乗らないことですね」
このように「詐欺撲滅」を訴える鬼龍氏だが、言葉だけではなくすでに行動も起こしている。特定非営利活動法人「東京都教育推進委員会」を設立。議員と協力しながら、少年院から戻った少年たちの更生や教育のサポートを行っており、将来的には、行き場を失った少年たちを収容できる更生施設を建設する計画もあるという。
「詐欺の世界では、知恵とアゴ(話術)が大事と言われているそうです。ただ、これはよく考えると、今の子どもの姿そのものではないでしょうか。私が子どものころは悪いことをしたら大人に殴られるのが当たり前でしたが、今そんなことをすればたちまち暴力教師や虐待と問題になってしまう。これでは大人をナメる子どもになるのも当然でしょう。それに加えて、屁理屈ばかりを覚えてしまった子どもはどうなりますか? 詐欺師になるしかないじゃないですか。私は、こういう子どもを多くつくりだした今の教育にも問題があると思いますよ」
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