あまり売れていなくても、コンビニに定番商品が並ぶ理由ご一緒に“おでん”いかがですか(1/5 ページ)

» 2014年06月03日 08時00分 公開
[川乃もりや,Business Media 誠]

著者プロフィール・川乃もりや:

 コンビニ本部で社員をして10年余り、いわゆるスーパーバイザーなるものを経験し、何を思ったか、独立オーナーに転身した。齢40にして、自分の仕事についての足跡を残したくなり、Webサイト「コンビニ手稿」と、誠ブログ「とあるコンビニオーナーの経営談議を始める。

 旅行とお酒が大好きだが、コンビニ経営をしていると、なかなか旅行に行く時間がとれない。その一方で、アルコールの量は増えるばかり。


ご一緒に“おでん”いかがですか:

 多くの人が一度は利用したことがある「コンビニ」。決して大きなスペースではないが、そこで何が起きているのだろうか。陳列台にはたくさんの商品が並んでいるが、何が売れているのか、またなぜ売れているのか。コンビニの現在と過去を紐解きながら、ちょっとした“謎”に迫っていく。

 筆者は大手コンビニの本部社員として活躍し、現在では店舗を構えるオーナー。コンビニの表と裏を見てきた者だけにしか書けないコラムはいかがですか?


 先日『焼印入りのレアからあげクンがあるってホント? ローソン「はい、1000粒に1粒くらい存在します」』という記事が話題になったが、レア物が入っているのは「からあげクン」だけではないことは、皆さんもご存じだろう。

 例えば、コンビニの店内にある商品をざっと探してもこれだけある。

  • 星形のピノ
  • カールおじさんのカール
  • 恵比寿様の魚籠(びく)に2匹目の鯛が入っているラッキーヱビスビール
  • 通常より大きい大玉ミルキー
  • スーパーおっとっと秘密の菓子型

 これらの商品にはある共通点がある。それは「ロングセラー」であることだ。

  • ピノ(1976年)
  • カール(1968年)
  • ヱビスビール(1890年)
  • ミルキー(1951年)
  • おっとっと(1981年)

 どれも、販売を開始してから30年を超えるロングセラー商品である。

 筆者の編集担当であるDさんが「アラフォーの「pino(ピノ)」が、いまも現役でがんばっている理由」という記事を書いていたが、消費者から長きに渡って愛され続けている商品は、さりげない変化がうまいのだ。どういうことか? 同記事では「消費者に味の変化を気づかせないように努力している」と開発秘話を紹介している。また、味だけではなく、パッケージでもさりげない変化にとどめている。

ピノのパッケージデザインはあまり変わっていない
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