30年前に生まれた自販機アイスが、今も増え続けているワケ仕事をしたら“アイス”ができた(3)(4/5 ページ)

» 2014年05月28日 08時29分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

セブンティーンアイス=見直し

土肥: どういった見直しでしょうか?

亀井: 「お客さんはクリームをもっと食べたいのではないか」という仮説を立てて、クリームの見える部分を増やしました。その一方で、コーンの部分を減らしました。

以前のアイスはコーンの部分が多かった(左)、現在はコーンの部分を減らしている(右)

土肥: それによって、どういった効果があったのでしょうか?

亀井: 従来の商品はコーンの部分が多かったので、パッと見て商品の違いがよく分かりませんでした。リニューアル後はより鮮明になったので、お客さんに分かりやすさが伝わったのではないでしょうか。あと、見た目のシズル感が増して「食べてみようかな」と思われる人が増えたのかもしれません。

土肥: それによって売り上げが伸び、設置台数も増えていったわけですね。30年ほど販売されてきて、見直したのはそれだけではないですよね? 

亀井: いえいえ。見直し、見直し、また見直しの繰り返しですよ。「セブンティーンアイス=見直し」といった感じ(笑)。

土肥: 例えば、どんなところを?

亀井: あまり気づかれていないと思うのですが、自販機のパネルデザインは毎年変えています。

土肥: 気づいていない、気づいていない(笑)。そんなに頻繁に変えないといけないのですか? たぶんほとんどの人は気づいていないので、3〜4年に1回くらいでもいいのでは?

亀井: いえいえ、そういうわけにはいきません。自販機を見るのは「年に2〜3回」という人たちは、「いつ見ても同じ」と感じられるでしょう。ただ、スイミングスクールに設置している自販機はどうでしょう? 生徒さんは頻繁に見ていますよね。また、駅に設置している自販機はどうでしょう? その駅を利用する人は頻繁に見ていますよね。そういう人たちには、デザインを変えないと「この自販機は古くさいなあ」と思われます。なので季節感などを変えることで、「ちょっと買ってみるか」という気分になってもらわなければいけません。

 もちろんデザインだけではダメで、フレーバーについても年4回変更しています。期間限定商品を含めると、年に10商品ほど入れ替えています。これまでに200種類以上のフレーバーを販売してきました。見直し、見直し、また見直しですね。ドイさん、気づかれていました?

土肥: も、もちろんじゃないですか(汗)。自宅の最寄駅に自販機がありますからねっ。

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