部下が指示を理解してくれないのは、あなたの能力不足かも?サカタカツミ「新しい会社のオキテ」(1/3 ページ)

» 2014年05月26日 09時10分 公開
[サカタカツミ,Business Media 誠]

著者プロフィール:サカタカツミ

 クリエイティブディレクター。就活や転職関連のサービスをプロデュースしたり、このような連載をしていたりする関係で、そちら方面のプロフェッショナルと思われがちだが、実は事業そのものやサービス、マーケティング、コミュニケーションの仕組みなどを開発するのが本来の仕事。

 直近でプロデュースしたサイトは「CodeIQ」「MakersHub」。著書に『こんなことは誰でも知っている! 会社のオキテ』『就職のオキテ』。この連載についても、個人的に書いているブログでサブノート的なエントリーを書く予定。Twitterアカウントは@KatsumiSakata


(写真はイメージです)

 先日、ある焼き鳥以外の料理が美味い焼鳥屋さんで、中堅企業のマネージャーと話していた時のこと。焼鳥、ビール、中間管理職とくれば、話の中身は予想違わず「部下の愚痴」。思った通りに動いてくれなくて、チームとしての成果が出ない……とぼやいていました。話自体はありがちなエピソードばかりだったのですが、一つだけ気になったことがありました。

 「依頼したことが理解できていない様子で、結果としてもう一度指示をやり直す必要が出てくることが多いのです。こういうことが何度も起きるので、うんざりしています。部下と上手くコミュニケーションを取る方法、指示を上手くするテクニック、ちょっとしたコツのようなものはありませんか?」

 部下の理解度の低さを嘆き、どうすればそれが解消できるのかと悩んでいるようでしたが、この類いの問題は、案外、部下の理解度に原因があるのではなくて、すこし厳しい言い方をすると、上司が「問題を先送りしている」というケースも多いのです。今日はその話を少しだけ。

「そんなことは自分で考えろ!」というセリフの誤用は多い

 部下になにかを依頼する場合、重要なのは「期日」と「成果」を明確に伝えることです。なにを当たり前のことを、と叱られそうですが、意外とここが漏れている指示は少なくない。

 特に成果に関しては、ザックリとした依頼の仕方しかできない場合も多く、依頼された部下も考えながら、探りながらの仕事になります。上司といえども、先を見通す能力が万全であるわけはなく、とりあえず仕事を進めてもらいながら、調整し、ゴールを目指すというやり方が一般的なはずですが、残念ながらそれが分かっていない部下も多い。

 設定されたゴールに向かう道、つまり正解がすでにあって、期日までにそれを「やれば」いいと勘違いしている部下もいるのです。そう、上司であるあなたも、薄々気がついているはずです。が、あなたは、きっとこう思っているでしょう。

 「そんなことも言わなければ分からないのか?」

 仕事のできない、いや、部下を使いこなせない上司が口にするセリフの中で2番目に多いのがこれ。そして、次のセリフが第1位です。

 「少しは自分で考えろ!!!」

 確かにこのセリフをよく言っている、もしくは言われているという人は少なくないと思います。とても便利なセリフなのですが、実はなにも解決できていません。自分で考えることができないから、指示を自分なりに解釈して、上司の言葉の足りない部分を補いながら仕事をすることができないのです。上司が言わなければ分からないから、そういう事態に陥っているのです。

 そう、上司であるあなたのその怒りの原因は、自分自身にある。言ってしまいがちなこのセリフは、それをちゃんと証明しているのです。

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