エナジードリンクに新風“サラリーマン向け” 「リゲイン」市場参入、狙いは?サントリー×第一三共がコラボ新商品(2/2 ページ)

» 2014年05月21日 21時00分 公開
[岩城俊介,Business Media 誠]
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「強力なブランド」と「朝の習慣へ」で、先行する海外勢と「朝」商品に挑む

 サントリーは第一三共ヘルスケアと、清涼飲料における「リゲイン」の商標を独占使用できるライセンス契約を締結。本家リゲインの風味や栄養設計を参考に、指定医薬部外品である栄養ドリンクには添加できない「炭酸」など、清涼飲料ならではの「体感と刺激」を加味した。

photo 栄養ドリンク「リゲイン」の風味や栄養設計を参考に、「リゲイン感」が得られる清涼飲料水に仕立てた

 成分もライバル飲料の倍以上とうたう「(糖原性アミノ酸)アルギニン1000mg」をはじめ、ビタミンB1、B2、B6を日本人食事摂取基準値の一日分を配合し、「働く人が“起動”したいときにふさわしい栄養設計と体感・刺激感が得られる」よう設計した。

 「なぜリゲインを選んだか、30〜40代の働く人を応援したいとするテーマにおいて、知名度、信頼感から最適・最強と判断した」(サントリー食品インターナショナルの北川部長)。リゲインのブランドはターゲット層へ強力に効く。「これなら会社で飲める」「手軽に買える」「効きそう/信頼できる」と感じさせるのが狙いだ。

photo サラリーマン向けに「効果が高い」「信頼できる」といったリゲインのブランドイメージを、エナジードリンクにも適用させたい考えだ
photo 商品コンセプト。容量(190ml)と価格帯(200円)について、自販機で買う飲料としては高額と思うかもしれないが、あえてだ。ターゲット層は(ある程度カネに余裕があるので)「安いと、効かない/信じられない」と感じてしまうからだそうだ。なるほど確かに。もちろん市場のさらなる活性化にともない、容量/価格帯のバリエーション追加も検討するという。販売チャネルの主力は「自販機」に据える。「朝、すぐ飲みたい」と感じさせるのが狙い。ちなみに、サントリーの同系統と想定される炭酸飲料に「デカビタC」もあるが、「デカビタCは自販機の全台に入っている主力製品。当然、両方訴求する」(北川部長)とのこと

 エナジードリンク製品の飲用時間帯も、栄養ドリンクの“夜遊び用”から「朝に飲む」ものに変化している。ということは、エナジードリンク他社製品のほか、出勤途中に買う「朝専用」系の缶コーヒーやコンビニコーヒーなどもライバルになると想定できる。ともあれ、エナジードリンクがサラリーマンの「朝の習慣」として定着するのもさほど遠い未来ではなさそうだ。

 あなたは24時間、戦えていますか?

photo パッケージデザインの意図。中央のアイコン「虎に翼」は、「もともと強いものにさらに威力が加わることの例え」を象徴するものとして配置した。発表会では語られていないが、そういえば“翼を授ける……”の某ブランドに対する何かの意味も込められているのだろうか

(参考)エナジードリンクと栄養ドリンクについて

 エナジードリンク、栄養ドリンク類は、ビタミン類やアミノ酸、漢方・生薬由来のエキスなど、疲労回復に効果があるとされる成分を含む飲料製品の総称。商品によって医薬品、医薬部外品(指定医薬部外品)、清涼飲料水に分類される。ドラッグストアでの販売になる前者に対し、後者の2つは自動販売機やスーパー、コンビニエンスストアなど身近な販売チャネルで購入できる。本稿ではサントリー、第一三共の製品カテゴリに沿い、清涼飲料水をエナジードリンク、医薬部外品を栄養ドリンクと書き分けた。

 清涼飲料水は食品衛生法で定められた飲料と定義し、薬事法で規定された成分以外を使用可能。“炭酸”も添加できる。今回の「リゲイン エナジードリンク」は清涼飲料水である。一方、医薬部外品は、薬事法に定められた医薬品に準ずるもの。配合成分や量の制限はあるが、人体に何らかの改善効果をもたらすものとして認証を得た商品を示す(1999年に規制緩和)。清涼飲料水ではうたえない効能・効果や用法・用量を表現できる。


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