懲罰降格「Facebookノリ騒動」に学ぶこと臼北信行のスポーツ裏ネタ通信(3/4 ページ)

» 2014年05月15日 08時00分 公開
[臼北信行,Business Media 誠]

裏側に「ゴースト・ノリ」と呼ばれる者の存在

 こういうトーンで書いていると、ノリ擁護派の人からは「もう終わったことだし、そこまで個人口撃することはないんじゃないの」とツッコミが入るかもしれない。しかし、そういう思いを抱く方々にぜひ知っておいてもらいたい裏話がある。

 実は今回のノリ騒動を引き起こしたのは中村本人だけではない――というもの。先にも記したが、裏側に「ゴースト・ノリ」と呼ばれる者の存在が疑われているという点だ。DeNAのチーム関係者は、声を潜めてこう打ち明けた。

 「ノリは今でこそトラブルメーカーのような選手として見られるようになってしまったけれど、経歴を見れば通算2000本安打を達成し、本塁打王など数々のタイトルを獲った一流の選手。だから昔から取り巻きが多い。そして、そのノリを陰で支え、あれこれと指南する親族のフィクサーもいる。今回、采配批判をして窮地に立たされたノリを救おうと一発逆転を狙ってFacebook投稿のシナリオを描いたのも、このフィクサーが仕掛人。Facebookのゴーストライターとも共謀して動き、一部のメディアにノリ擁護の記事を提供したりした。だから話が余計ややこしくなって大騒ぎになってしまった」

 中村は全盛期を過ぎたとはいえ、チームの戦力としてまだ十分に活躍できる可能性があるベテラン選手だ。だが、能力としては一級品でも、グラウンド外の言動で評価を下げてしまっては元も子もない。ましてや、こういう「ゴースト・ノリ」たちが取り巻いているとなれば、球団側からも必要以上に警戒されて厄介者扱いされてしまう。

 そもそも、DeNAは今2013年オフにオリックスとの契約が切れたアーロム・バルディリス内野手を獲得。このバルディリスが今季から正三塁手、そして正一塁手にはトニ・ブランコ内野手が就いているため、一塁と三塁しか守れない中村は弾き飛ばされる形で開幕二軍スタートとなっていた。

 「首脳陣には『何かと問題の多いノリを下(二軍)から出直しさせれば、少しは性格的に丸くなってフォア・ザ・プレーに徹するようになるはず』という考えがあったが、中村やフィクサーらはこれを心の中で“飼い殺し”と断じていたようだ。中村はブランコがケガをした代役として一軍昇格となったが、それで結局またこういう騒動を起こしたということは……。残念ながら過去の行為をまったく反省していなかった証拠と言える」(前出の関係者)

 DeNAは中村の二軍再降格後、奇しくもチーム状態が好転している。その上、ここにきてキューバの超大物ユリエスキ・グリエル内野手を獲得(関連記事:「キューバ選手の「鎖国解禁」 メジャーと他国球界に与える影響とその裏側」参照)。球団フロントとチームは完全に「ノリ不要」の方向性で一致している。

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