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» 2014年05月13日 22時23分 UPDATE

富士通がビッグデータ利活用の新商品:ビッグデータ活用、主ターゲットは「業務部門」へ (1/2)

ビッグデータ活用は、専門家から“社員自ら”へ。富士通がビッグデータ関連製品群の一環として、“業務部門”への訴求を目的としたビッグデータ利活用ソリューション「Operational Data Management & Analytics」の提供を始める。

[岩城俊介,Business Media 誠]

 「ビッグデータ」って一体何だ? 自分には関係ない──。こう思うビジネスパーソンは多いかもしれない。ビッグデータの活用は、これまでIT部門の専門家やデータサイエンティスト(ビッグデータからビジネスに活用するための情報を分析し、活用を促す専門家)などデータ分析のプロフェッショナルが中心だったためだろう。

 ただビッグデータは、実は営業職や戦略企画職といった業務部門、つまり「一般ビジネスパーソンにこそ必要なもの」である。

 いま接客中の客を落とすための“図りかねる背中一押し”のポイントを、手元のスマホが教えてくれたらどうだろう。そんな膨大なデータに基づいて分析/解析した「未来予測」ができるようになる。このように、IT部門や分析専門家に加えて、業務部門の実担当者が特別なノウハウを持たなくてもビッグデータの分析を活用したいというニーズが全世界的に高まっている。

 この傾向が特に進む米国では、今後の業務開発における先行投資額としてビッグデータに70%割くとする調査結果がある。日本はまだ先行投資額比率こそ同16%と少ないものの、ビッグデータ活用ニーズのうち業務の現場からの要望が75%、うち企画/営業/マーケティング部門からの要望が41%と、関心の高さは日に日に高まっている(2014年4月時点、富士通調べ)。また、経営層にとってもビジネスの最優先事項と「成長」につながる動力源としてビッグデータへの関心が急速に進んでいることは確かだ。

photo 「ビッグデータといっても、現時点はまだデータ量が少ないスモールデータ。ただ、Internet of Things(IoT)の推進は真のビッグデータを生み出し、新たな価値の創造が大いに期待できる。顧客の情報利活用ニーズに対応し、ビジネス革新や成長を支える垂直統合ソリューションを今後も提供していく」富士通執行役員の川妻庸夫常務 CTO&CIO
photo IoT時代を見据え、ビッグデータが成長のドライバーになると考える経営層が増えている。この意思決定を促すのが、実務を担う業務部門層からの声である

“社員自ら“分析・予測できることを想定した、ビッグデータ活用の総合ソリューション

 富士通は5月13日、同社が展開するビッグデータ関連製品群「FUJITSU Big Data Initiative」の一環として、“業務部門”への訴求を主目的としたビッグデータ利活用ソリューション「FUJITSU Business Application Operational Data Management & Analytics」を発表、2014年6月より順次提供を始める。

 ポイントは、「業務部門」への本格訴求。2013年6月にビッグデータ製品群としてまとめたFUJITSU Big Data Initiativeにおける10種のオファリング(課題解決)メニューのうち、業務部門のニーズが高い3種を強化し、業務部門の担当者自身がビッグデータの活用を容易にする具体的な課題解決メニューを用意。分析シナリオや業務ごとに最適なソフトウェアを組み合わせて提供する。

 業務部門が自らビッグデータを活用することで何が変わるのか。「データに基づく未来予測ができるようになる」のがポイントの1つだ。

photo 「Operational Data Management & Analytics」活用イメージ
photo これまでの単なる生産性向上やビジネス手段を“時短”する目的から、業務部門が積極的にビッグデータを活用することで変革を起こす時代が来ると予測
photo ビッグデータをビジネスプロセスと融合し、業務部門のビジネスパーソンが自ら使用する「Analytics 3.0」の時代へ

 例えば小売店は“何が売れるか”の予測をどう立てるか。POSデータや季節、日程、商品群、商品価格、販売パートナーの関係、バイヤーや販売員の経験、カンなどがある。これらは企業の大切な財産だ。ごく具体的に、コミケ期間中のコンビニが本気を出すのもこの一環の活動だ。ただ、(あくまで例えばだが)スマホの価格が急騰したらどうなるか、東北地方が寒かったらどうなるか、何か事件が起こったらどうか──など、店舗が持つ蓄積データにはない複数の要因とどう連動するかとする未来の予測は、さすがに立てにくい。

 一見関係ないかもしれないが、実は相関するかもしれない。この、これまで想定外だった膨大なデータも含めた「因子」がビッグデータであると考えるといかがだろう。食品のデータ──例えば種類や価格、流通量、あるいは気象データ、時間帯、地域別、SNS、Webログ、画像や音声、位置情報、M2Mで得られたログデータなど、約1300種類の因子もとに1175京通りの関連性を精査(同社Operational Data Management & Analyticsの場合)し、需要予測や顧客行動の分析、経営分析のモデルをもとに「未来予測」することで今後の業務に生かすというものだ。

 部門別には、

  • マーケティング/企画部門:マーケティングROI(投資に対する利益や成果)の向上、プロモーション効率化、新商品の開発
  • EC部門:リアルタイムリコメンド機能を活用した購買促進や離反の防止
  • 店舗運営:リアルタイムな店舗/顧客行動をモニタリングし、売り場を最適化
  • 在庫・発注管理部門:需要予測の精度を向上させ、機会のロス、廃棄のロスを低減

 などのほか、設備メンテナンス業務に関連する故障予測、高度な顧客応対(パーソナライゼーション)、人的リソースの最適化などへの成果も期待できる。そしでこれまでは「とはいえ私には無理」であった高度なデータ分析を、一般業務層自ら容易に分析でき、自身の業務へ取り入れるための垂直統合型の一括サービスとして富士通が企業向けに展開するのが「Operational Data Management & Analytics」となる。

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