インタビュー
» 2014年05月13日 07時30分 UPDATE

これからの働き方、新時代のリーダー:失敗は最高の財産だが、本気の失敗でなきゃ意味がない――ロコンドの復活戦略 (1/3)

初年度の大失敗をふまえてビジネスモデルを練り直したロコンド。2014年度は黒字化に向けて「ニコタマ」戦略を打ち出している。利用者が「ほっこり」する買い物体験はどうなるのか?

[岡田大助,Business Media 誠]

「これからの働き方、新時代のリーダー」

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 2011年、送料も返品も無料、自宅で試着できる靴のECとしてスタートした「ロコンド」。しかし、初年度は事業が継続できるのかと心配されるほどの大失敗。その反省から得られたのが、利用者が「ほっこり」する買い物体験の強化だった。

 4年目に入った同社は、黒字化が見込める年間取扱高100億円に向けて新たな戦略「ニコタマ構想」をスタートさせた。果たして、その内容とは? 田中裕輔社長に聞いた(聞き手はBusiness Media 誠編集部の岡田大助、以下敬称略)。

 →前編「『買ってから選べるEC』――ロコンドが華々しい初年度の大失敗から学んだこと

ロコンド ロコンド

仕入れたいブランドがあれば、まずは「何がほしい」か聞けばいい

岡田: もともと靴専門のECサイトとしてスタートして、その後、カバンや小物、洋服と取り扱いジャンルが増えました。その結果、売り上げは順調に伸びていますね。

田中: リピート注文率も大きく改善されました。2012年夏ごろは30%でしたが、今では70%です。ロコンドで買ってもらえればファンになってもらえるという手ごたえがあります。

岡田: ファッション業界というと「売り手側がトレンドを作ってやろう」という印象を受けます。ロコンドの場合も、やはりバイヤーの目利き力に依存するのでしょうか?

田中: 確かに、この業界には「来年は青が来る」といった、ヤマ師的なイメージがあります。でも、われわれは通販サイトである以上、カスタマーデータを使って、なるべく科学的にやろうと思ってます。

 まず、これから仕入れようと思っているブランドがあれば、必ず、利用者にアンケートを取ります。どういうブランドがほしいですか、その度合いはどのくらいですか、どの商品がほしいですか……。「自分たちがトレンドを作るのがカッコイイ」というのではなくて、お客さんがほしいと思うものを仕入れます。

 例えば、チャールズ&キース(Charles & Keith)というブランド、ご存じですか?

岡田: いや、知りません。

田中: ルイ・ヴィトングループも出資している靴とバッグ専門の女性向けファストファッションブランドで、原宿に店舗もありますが、すごく売れているという感じではありませんでした。ファッション業界の人は、「日本にも似たようなブランドがあって、もっとカワイイものがあるから、成功するのは難しいよ」と。でも、ロコンドのお客さんは「ぜひほしい」という。実際に仕入れてみたらドカッと売れました。

 もう1つ、スペインのデシグアル(Desigual)というブランドがあります。地中海をイメージしたちょっと派手めな商品で「こんなに派手だと、日本人は着ないよ」「買う人がいても、若い人くらいだろう」といわれてました。でも、価格が1万円くらいするので若い人は手を出しにくいでしょうね。

 アンケートの結果、購入を希望した人は40〜50代の女性が多く、実際に先を争うように買っていきます。この人たちは、原宿のど真ん中にあるデシグアルの店舗には行きません。こういったニーズの掘り起こしは、お客さんに直接聞いたことの成果ですね。

デシグアル デシグアル

岡田: ところで、ロコンドの主な利用者像ってどういう人たちですか?

田中: コアな顧客層を分析すると、30〜40代の女性、小さな子供がいて、どちらかといえばお金には余裕があって、都心部に住んでいて、雑誌『STORY』や『VERY』をよく読んでいる。そこで、これからのロコンドの事業戦略として「ニコタマ」構想を掲げることにしました。

岡田: にこたま? 世田谷区の二子玉川(ふたこたまがわ)ですか?

田中: そうです。そのニコタマです。

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