「完璧」を知ればスピードを調整できる東大生はなぜ会社で使えないのか?(2/2 ページ)

» 2014年05月13日 08時00分 公開
[関厳,Business Media 誠]
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「一行トレーニング」で本質をつかむ

 世の中には、要領のいい人と悪い人がいます。コツをつかむのが早い人がいれば、当然遅い人もいる。

 どちらがいいかと言えば、もちろん前者。コツをつかむのが早いとポイントを外さないので、仕事をうまく行えるケースが非常に多い。

 コツのつかみ方は、トレーニングで上げていくことができます。

 最もいい方法が、「一行トレーニング」。「××のポイントは○○である」と、物事を一行で説明できるようになってください。

 例えば営業マンなら、「営業のポイントは、初対面のコミュニケーションである」と書き出してみる。

 営業で重要なことにはさまざまな要素があると思いますが、一行で書く場合、簡潔に答えられるポイントを考えます。それこそが物事のコツと言えます。

 「生産性を上げるポイントは……」
 「接客のポイントは……」
 「コストダウンのポイントは……」

 このように自分の業務を一行で説明してみてください。

すべてのポイントを一行でまとめる

 例えば私は、「会議運営のポイントはプロミスリストである」と考えています。会議を行う前には、前回のプロミスリストで振り返りをします。会議進行も最終的にプロミスリストをまとめることから逆算して行っているので、ポイントに迷わず進められる。自分なりにコツを整理しているから、確認も簡単なのです。

 日報や振り返りを書かせる会社は多くありますが、正直、事実を書いても意味がありません。学んだことについて、「××のポイントとは○○である」と書く習慣をつけてください。そうすると、日報や振り返りに意味が出てきます。 

 一行トレーニングを続けていくと、ビジネスマンとしてのレベルが上がるにつれ、内容も少しずつ変わっていきます。

 例えば「接客のつかみのポイントは××である」という一行に、それまでとは違う考えが浮かぶようになる。「こっちのほうがいいな」と、書く内容が変わることは頻繁にあります。それはつまり、以前の自分より成長しているということです。

 一行トレーニングを続けていくと、どんどん要領のいい人になっていきます。上司や先輩にアドバイスを求める際にも、「営業のポイントとは××ということですよね? 営業のポイントについて私はこう考えますが、先輩の意見を教えてください」という聞き方をすると、いいアドバイスをもらいやすい。

 そうやって、ポイントの精度をどんどん高めていってください。

今回のポイント

一行で簡潔にポイントを考える習慣が、仕事の要領をよくする


(次回は「やるべきことがはっきりしているときに本を読め」について)

著者プロフィール:

関厳(せき・いわお)

株式会社リブ・コンサルティング 代表取締役/国際公認経営コンサルティング協議会認定/マスター・マネジメント・コンサルタント。

2002年、東京大学教育学部卒業後、大手経営コンサルティング会社に入社。トップマネージャー賞をはじめ、数多くの社内賞を獲得し、史上最年少で取締役に就任。その後、専務取締役に就任し、コンサルティング部門の責任者として活躍。

2012年、同社を退職し、株式会社リブ・コンサルティングを設立。「“100年後の世界を良くする会社”を増やす」を理念に掲げ、トップコンサルタントとして幅広い業界のコンサルティング支援に携わる。

【著書】

東大生はなぜ会社で使えないのか?』(中経出版)

Twitterアカウント:@Iwao14


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