本連載は、関厳著、書籍『東大生はなぜ会社で使えないのか?』(中経出版)から一部抜粋、編集しています。
マジメだけど、コミュニケーション能力が低く、根性がないくせにプライドが高い!
「ゆとり世代」と「東大生」は似ています。どちらも会社では「使えない」と思われているかもしれないけど、そんなことはありません。会社で力を発揮できるように変えていけばいいだけです。
・すぐやれることはその場でやれ!
・「イケてる先輩」を見つけろ!
・自分の上司を管理しろ!
・絶対にやる「プロミスリスト」をつくれ!
・自分で自分にメールを送れ!
・入社3年目までは新聞を読むな!
「スキル」と「心構え」さえ身につければ、優秀なビジネスマンになれるのです。35歳、東大出身のコンサル会社社長がその方法を教えます!
前回述べたように、社会人になると質とスピードの総合点で評価されます。質だけにこだわるのではなく、ゴールにスピーディにたどり着くことが大事。
しかし、スピードを重視するあまり、質をおろそかにしてはいけません。クオリティとスピードのバランスを高く保つために、100点満点の質の仕事とはどういう状態なのか、まずは自分のなかで定義づけを行ってください。
100点がどういう状態なのかを理解すると、逆に手の抜きどころが分かるようになります。
ビジネスの世界に「パレードの法則」と言われるものがあります。
ある店の売上の8割は、実は全顧客の2割によって構成されているという考え方です。優良顧客は全体の2割なので、そこにサービスを絞ったほうが効率的だという法則。イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが考えたものです。この法則を仕事に置き換えると、次のことが言えます。
「ある仕事で100点をとるには、100時間が必要になるかもしれない。しかし80点でよければ、20時間でとることができる」
ビジネスでは、80点をとれる業務を優先的に行うことが重要。そのためにはまず、何をすれば80点とれるかを知る必要があります。その第一段階として、100点の取り方を知ってください。
新卒で入社したばかりの頃、「勉強として一度、100点の状態を知っておけ」という方針で、スピードよりも質を意識して仕事をやらせてくれる会社もあります。そうした会社に就職した人は、100点の状態をしっかり把握してください。
一方、「最初からクオリティとスピードを求められるのが、本来の仕事というものだ」と考える企業もあります。そうした会社に勤めている人は、組織の方針通りに仕事をこなしつつ、時間のあるときに「この仕事の100点はどういう状態なのだろうか?」と探ってみてください。
その方法としては、一度提出した書類をじっくり見直し、完成度を高めてから上司に確認してもらうといいでしょう。
「この仕事はもう終わっているのですが、100点の状態を知りたいので教えてください」
そう聞けば、「この場合は、こうしたほうがいい」と教えてくれるはずです。そうやって仕事のクオリティを高めた後、徐々にスピード化に移していけばビジネススキルが上がっていきます。
会議の議事録を提出する際には、「70点の状態でいいから、早く出せ」と求められる会社がほとんどです。だからこそ一度、100点を確認しておいてください。
果たして、発言者の意図が正しく反映されているのか? 論理構成はこれでいいのか? 誤字や脱字はないか? ポイントの整理はきちんとできているか?
そうして議事録を100点に仕上げることで、自分がどういった点数配分で70点を取れたのかを理解することができます。
最初から70点を取り続けている人には、100点に上げる方法が分かりません。だから、手の抜きどころも理解できない。100点の状態を知ることで、質とスピードをバランスよく高めるポイントが分かるのです。
「100点の仕事」を知れば、スピード調整が可能に効率と評価も上がっていく
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