「少子化」を子どもの目から見てみると……新連載 博報堂生活総研・吉川昌孝の「常識の変わり目」(1/2 ページ)

» 2014年05月09日 08時00分 公開
[吉川昌孝(博報堂生活総研),Business Media 誠]
※本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

博報堂生活総研・吉川昌孝の「常識の変わり目」

30年以上にわたり生活者を研究し続けてきた「博報堂生活総合研究所(生活総研)」。同研究所の主席研究員である吉川昌孝氏が、さまざまなデータを独自の視点で分析し「常識の変わり目」を可視化していくコラムです。世の中の変化をつかみたいビジネスパーソンに新たなモノの見方を提供します。


著者プロフィール:吉川昌孝

博報堂生活総合研究所主席研究員。1965年愛知県生まれ。慶應義塾大学商学部卒。著書に『亞州未来図2010−4つのシナリオ−』(阪急コミュニケーションズ・共著)、『〜あふれる情報からアイデアを生み出す〜「ものさし」のつくり方』(日本実業出版社)などがある


 「最近の子どもは、妙に大人びているなあ」と思うことはありませんか。

photo  

 国勢調査の年少人口(0歳〜14歳)を「子ども」、生産年齢人口(15歳〜64歳)+老年人口(65歳以上)を「大人」として、(大人の数)/(子どもの数)を計算すると「子ども1人当たりの大人の数」が分かります。その推移を示したのが上の図です。

 第1回の国勢調査が行われた1920年(大正8年)には、子ども1人あたりの大人の数は「1.74人」でした。その後も戦前までは2人以下で推移。出生数が落ち着きはじめた1960年代から大人の数が増えはじめ、1970年には子ども1人あたりの大人の数は約3人に、1995年には5人を超え、2014年現在は「6.90人」と7人弱まで増加しています。今後もこの傾向は進み、約50年後の21世紀中ごろ(2061年)には、ついに1人の子どもを取り巻く大人の数が10人を超えると予想されているのです。

 少子化とは、ひとことで言えば子どもの人口が減っていくことですが、言い替えると「子ども1人あたりの大人の数が増えていく」ことでもあります。今回、私がお伝えしたいのは「子ども1人あたりの大人の数」という視点で少子化をとらえて未来を想像してみよう、ということです。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.