組織内できちんと仕事をしてきたのに切り捨て対象に……30代社員に迫る危機サカタカツミ「新しい会社のオキテ」(2/3 ページ)

» 2014年04月14日 08時05分 公開
[サカタカツミ,Business Media 誠]

行き当たりばったりの育成のツケを、払う時がきてしまった

 経営状態が長い間盤石である、という企業では、以前から育成システムも比較的行き届いていました。粒を揃えて採用し、丁寧に教育をし、年次に応じた機会を提供し、組織にとって役に立つ人を選別し、時には緩やかにふるい落としながら、新陳代謝をはかっていきます。

 しかし多くの企業は、景気に左右された採用や育成をしてきました。ある時期は人を大量に採って、たいして育成もせずに現場に出してしまった。景気が悪くなると採用を絞るので、現場では『後輩を育てながら、自らも成長する』という機会をゼロにしてしまった。年次によって構成員に偏りがあるので、当然のことながら、すべてに等しく成長の機会を与えることができず、けれども、年次によって役職をつけなければならない、という建前に縛られてしまう。

 どれも心当たりがある話だと思います。さらに、その時期に流行の研修や教育のメソッドがありますから、タイミングによっては、いまではまったく役に立たない、それこそ思いつきのようなハウツーを学んだ、という人も少なくないでしょう。意外と思われるかもしれませんが、多くの企業の教育研修のシステムは、よく言えば適宜対応、言い方を変えれば、単なる行き当たりばったり、なのです。

いままでは、それでもビジネス社会のスピードと個人の成長のスピードにそれほどズレがなく、なんとか吸収できる状態でした。が、もはやそれは難しい。いまの30歳代後半あたりの人は、行き当たりばったりの方法論で育てられてしまったが故に、もしかしたら後からやってくる世代に追い越されてしまうという恐怖にさらされているのです。

 「そんなひどいじゃないか! 組織の都合で自分の未来が閉ざされてしまうなんて」と、当事者である読者の皆さんの怒りの声が聞こえてきそうです。確かにその通り。機会が平等に与えられるわけがない、という自覚はしているとはいえ、組織内でそれなりにキチンと仕事をしてきて、育成プログラムに従ってきたのに、切り捨てる対象になってしまうというのは、理不尽な話です。

 しかし、会社はなにもしてくれないと嘆いている場合ではありません。このコラムを読んで不安に思った30歳代以上の読者の方は、早速、以下のことをチェックしてください。

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