企業層の「Windows 8アレルギー」をどう解消するか。Microsoftが模索している。
Windows 8は、デバイスのタッチ操作に最適化することで“再創造”を目指し、2012年10月にリリースされたWindowsの現行バージョン。ただ“進みすぎ”ていたのか、ユーザーの多く、特に企業層はついてこれなかった。「法人PC市場は絶好調。2013年7月より2ケタ成長、同年10月以降は前年比50%以上の伸びを記録した。XPサポート終了や増税前の駆け込み需要も確かにあるが、想像以上に新PCの買い換えが進んだ」(日本マイクロソフトの香山春明常務)と述べ、2014年4月9日(日本時間)にサポートを終了するWindows XPのリプレースこそは進んでいる。ただこのリプレースにおいて、企業層の多くは現世代のWindows 8系(8.1含む)ではなく、前世代のWindows 7を選んでいる事実がある。
そこでMicrosoftが打ち出したWindows 8系導入促進の提案、それが「原点回帰と融合」だ。とはいえ企業層は「(これまでの)デスクトップ画面とマウスを使う」──。当初“なじめない”と感じた層に対し、どう機能を改善、改良していけば企業層の標準導入OSとして受け入れてもらえるか。Microsoftは、当初の思惑とはややズレがあった企業層のニーズを改めてカバーするWindowsのアップデート「Windows 8.1 Update」を2014年4月9日(日本時間)に公開する。
企業層、会社PCにも適するとアピールする「Windows 8.1 Update」の刷新ポイントは何か。
Windows 8アレルギーの要因として多く聞かれるのが「スタート画面」。タッチ操作を前提にしたModern UIと呼ぶユーザーインタフェースで使用するスタート画面と、これまでと同じくマウスとキーボードで操作する「デスクトップ画面」の2つが完全に分離され、見た目も、使い方も大きく異なっていたのが「よく分からない」と判断されてしまう部分だった。操作に慣れていた「スタートボタン+スタートメニュー」をスパッとなくしてしまったのも賛否が分かれた。
この部分を大きく改善したのが、Windows 8の1年後となる2013年10月にリリースされたマイナーバージョンアップ版「Windows 8.1」(Windows 8ユーザーは無償アップデートが可能)だ。この時、MicrosoftはWindowsを「個人ユーザーが求める機器と使い勝手」「企業層が求めるエンタープライズ範囲の機能」の両面を拡充させるビジョンを掲げ、そのときの顧客のニーズに沿い、比較的短期に機能を刷新していく“Rapid Release”の考えを示した。現時点のニーズをすぐカバーすべく取り組む施策だ。
Windows 8.1により、デスクトップ画面にスタートボタンが“復活”し、PC起動で自然にデスクトップ画面が表示される「デスクトップUI起動」、「スタート画面とデスクトップ画面で同じ壁紙に設定できるようにする(見た目が違うという印象を緩和)」など、特に「デスクトップ画面とマウス」で操作する、これまでのユーザーの声を多く反映した刷新を行った。
では、8.1のリリースからわずか約半年後の登場となる「Windows 8.1 Update」は何が刷新されたか。こちらも多くは「これまでと同等の使い勝手、機能を求める層」に向けた刷新が多くを占める。アレルギーの要因となっていた「2つの画面の操作体系の違い」を解消し、
といった機能を追加、改善した。
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