「ToKoPo」知っていますか? 地下鉄のポイント還元施策から見えてくること杉山淳一の時事日想(3/4 ページ)

» 2014年04月04日 08時00分 公開
[杉山淳一,Business Media 誠]

1日乗車券は料金据え置き、旅行者向けの乗り放題きっぷも新設

 営業の外回りや、休日の買い物、観劇など、地下鉄を1日に数回利用するなら「1日乗車券」がおトクだ。都営地下鉄も東京メトロも、消費増税に合わせて運賃も上がったが、実は1日乗車券の価格は据え置かれている。東京メトロは710円、東京都交通局はバス、都電、日暮里舎人ライナーも含めて700円だ。初乗り区間で換算すると、東京メトロは5回目の乗車から、都営地下鉄は4回目の乗車から、1日乗車券が安くなる。また、東京メトロと都営地下鉄の両方で使える「都営地下鉄・東京メトロ一日乗車券」は1000円だ。

 そして2014年4月22日から、旅行者向けとして新たに「Tokyo Subway Ticket」も販売される。

photo Tokyo Subway Ticketの詳細

 Tokyo Subway Ticketは、東京メトロ線全9路線と都営地下鉄線全4路線で乗り放題。価格は1日券で800円(子ども400円)、2日券で1200円、3日券で1500円と、かなり安い。ただ、旅行者向けのため基本的に都内では購入できない。販売場所は成田空港と羽田空港、地方の旅行代理店とのこと。在住地の証明書などは必要ないので、都内在住の人も羽田空港などへ行けば購入できるが、都内から空港まで買いに行く時間と手間、費用を考えると、やはり旅行者向けだろう。

 これらの1日乗車券は、きっぷ代を節約するよりも大きなメリットがある。沿線の112施設、447のスポットで特典が受けられるためだ。ちなみに従来から東京メトロは「ちか旅。」、都営交通は「いっとく」という名称で沿線施設の特典を案内していたが、2014年4月1日からは両者が統合され「ちかとく」というサービスにリニューアルした。美術館や展望スポットなどの入場料、飲食店の会計で割引特典があるので、割引額によっては1日乗車券の料金のモトが取れる場合もあり得る。こうした施策は東京だけではなく、全国所要都市の地下鉄やバスで実施されており、自家用車の利用を控えて公共交通機関を利用してもらおうという趣旨だ。

photo 1日乗車券の特典情報を掲載したガイドブックを各駅で配布中。公式サイトでも特典内容などをチェックできる

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