「レギュラーだけではチームは勝てない。本当に強いチームには名脇役(バイプレーヤー)が必要なんだ。今年のヤンキースの外野手でイチローは5番手と言われているけれど、そんなことなど彼は気にしていないだろう。レギュラーであることだけを求めているのならば、彼はとっくにヤンキースを去っている。おそらくイチローはマリナーズでは味わえなかった常勝チームにいる喜び、そしてフォア・ザ・チームの精神を今強く感じ取っているんだと思う。彼はチームが勝つために毎日きちんと試合に出る準備を整えることができるプレーヤー。それがスターティングメンバーであろうが、途中出場であろうが、レフト、センター、あるいはライトであろうが、どんな状況でもアジャスト(順応)できる。それがイチローなんだ」
これは、かつてヤンキースで一時代を築いたバーニー・ウィリアムス氏の弁。ESPNでキャッシュマンGMがイチローの年俸に関する発言をしたのは前記したが、これについても同氏は「私がGMならばイチローの年俸は最低1000万ドル(約10億円)を用意するよ。彼にはそれぐらいの“投資”の価値がある」と独自の見解を述べていた。
イチローに年俸650万ドルの価値が本当にあるのか――。ちなみに2013年シーズンの成績は150試合の出場で打率2割6分2厘、35打点、7本塁打。出塁率も2割9分7厘で、メジャー13年目にして初めて3割を切った。ここまでのイチローの成績を見てきたファンからすれば物足りない数字かもしれない。
ただ、ベテランとしての数々の価値を考慮すると、私個人の意見から言えば、だからと言って650万ドルの価値がないとは思わない。キャッシュマンGMや、ウィリアムス氏と同じく今季のイチローの活躍に650万ドル、いや1000万ドルを“投資”してみたい気持ちである。
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