インタビュー
» 2014年04月01日 12時00分 UPDATE

これからの働き方、新時代のリーダー:「買ってから選べるEC」――ロコンドが華々しい初年度の大失敗から学んだこと (1/3)

顔が見える、おもてなしのECとしてスタートしたロコンドだが、初年度は大きくつまずいた。何が悪かったのか? 熟考が足りなかったことに気付いた同社は、商売の本質に立ち戻った。

[岡田大助,Business Media 誠]

「これからの働き方、新時代のリーダー」

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 2011年2月、靴専門のECサイトとしてスタートした「ロコンド」。商品の配送料は無料、購入後に自宅で試着して、気に入らなかったら無料で返品も可能、年中無休で電話とメールによるコンシェルジュサービスを展開……。「日本版ザッポス」ともてはやされながら華々しいスタートを切った

 あれから3年。「試着が必須な靴のECは成功しない」といわれた業界で、徹底的な顧客志向を打ち出したロコンドは、今、どうなったのか? 田中裕輔社長に、同社のビジネスモデルを振り返ってもらうと意外な答えが返ってきた。「初年度は、大失敗でした」(聞き手はBusiness Media 誠編集部の岡田大助、以下敬称略)。

田中裕輔 田中裕輔/一橋大学経済学部卒。マッキンゼーに入社し、26歳でマネージャーに就任。2009年、カリフォルニア大学バークレー校でMBAを取得。2011年、ロコンドを立ち上げる。

初年度に「大失敗」したからこそ、今のロコンドがある

岡田: 3年前のサービス開始時、実はロコンドを取材したことがあるんです。当時のオフィスはもっとイケイケな感じで、若いスタッフがエネルギッシュに働いていたイメージがあるんですが(関連記事)、今日、お伺いしたオフィスはなんだか落ち着いた感じになってますね?

田中: 当時、米ザッポスなどを参考にロコンドを始めたんですが、今から振り返ると「仏作って魂入れず」といいますか……。「サービス」「おもてなし」を標榜して派手なことをガンガンやってみたんですが、まあ、大失敗でしたね。狙ったことの成果がまったくでなくて、「ロコンド、大丈夫なの?」といわれるくらい、初年度の売り上げも利益も悪かった。

岡田: 今でも近藤正臣さんにダジャレを言わせたテレビCMを思いだすのですが……。

田中: 決して、近藤さんが悪いわけではないのですが、あのタイミングでテレビCMをうったのは大間違いでしたね。効果はといえば、期待していた売り上げの10%にも届きませんでした。オフィスも倉庫も、身の丈にあったサイズに見直しました。

岡田: 当時は、靴は全部業者から買い取ってロコンドの倉庫に保管するとか、セールはやらないとか、既存のECサイトとまったく違う方向性も打ち出していました。

田中: 今でもバーゲンサイトになるつもりはまったくありませんが、当初掲げていた方向性は、2年目、3年目で全部変えました。定価販売とセール、買取制と委託販売。どちらがダメということではなく、お客さんが求めるのは何かを第一に考えるとケースバイケースなんですよね。

 「本当に社員一人ひとりが、お客さんと向き合えていたか?」と問えば、そうではなかった。だから、初年度にやったことを全部見つめ直して、われわれがお客さんに提供できる最高のサービスとは何かを全スタッフで議論して、ひたすらお客さんの声に耳を傾け、一つひとつ改善を積み重ねたものが今日のロコンドです。結局、大切なことは全部、お客さんが教えてくれました。

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