なぜ「楽天」が世界中で叩かれているのか?伊吹太歩の時事日想(2/3 ページ)

» 2014年03月27日 08時00分 公開
[伊吹太歩,Business Media 誠]

世界の楽天子会社は批判に対して敏感に反応している

 今回、EIAにキャンペーン後の反応などについて聞いてみた。取材に応じた同団体のジェニファー・ロンズデイルは、「今のところ、楽天からは何ら反応はありません」という。

 キャンペーン開始前にロンズデイルらは、楽天とその主要な子会社である「Rakuten.com Shopping(元Buy.com)」「Play.com」「KOBO」に手紙を出している。楽天にはこうした商品の販売中止を、子会社には楽天に販売中止を求めるように要請した。「手紙に対して、子会社からも公式な反応はないです。キャンペーンを始めてからもです」

 しかしながら、利用者が英「Play.com」に対して質問を送ったところ、次のようなメールが返ってきたという。

 「メディア報道を考慮して、私たちはニュース報道までこの件については気付いておらず、ラクテンの『Play.com』が象牙や鯨肉商品を販売しないことを確認します。他のラクテンの市場についてコメントはできませんが、ラクテングローバルからの公式声明を待っているところです。すでに要求している公式声明が出次第、すぐに提供します」

 さらにロンズデイルは、米「Rakuten.com」から利用者への返答があったことも教えてくれた。「『Rakuten.com Shopping』への連絡ありがとうございます! Rakutenと同じブランドでありながら申し訳ありませんが、『Rakuten.com Shopping』(元buy.com)は鯨肉や鯨商品、また象に関する商品の獲得と販売に関わっておりません」

 ちなみにラクテンブラジルは、「ラクテンはこの問題を深刻に捉えており、現在、対処についてまとめているところです」と、利用者に対応している。

 EIAの鯨キャンペーン担当者であるクレア・ペリーは、「『環境保護』を目指す方針に取り組むことを表明しているラクテンの主張は、絶滅の危惧にある種から得られる商品でもうけている限り、皮肉なリップサービスになってしまう可能性がある」と手厳しい。

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