自販機の一等地は「左上」? 人の視線を追いかけたら“常識”が覆った仕事をしたら“缶コーヒー”が売れた(5/7 ページ)

» 2014年03月26日 10時27分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

自販機の存在感を強めるために

土肥: 缶コーヒーを扱う会社は、のきなみ苦戦しているようですね。多くの会社は対前年度比で二ケタマイナスなのに、ダイドーはわずかながらもプラス。厳しい環境の中で、「なんとか踏ん張った」と言えるのではないでしょうか。

 ……なーんてゴマをすって、正本さんからネタを引き出したいと思っています(失礼)。人の視線を分析することで、自販機の一等地が「左下」であることが分かった。次に、どんなことが見えてきたのでしょうか?

正本: お客さまに自販機で飲料を購入していただくのにはどうすればいいのか。パッと見て、パッと買いたくなるようにさせなければいけません。瞬間で勝負が決まってしまうんですよ。

土肥: つまり、コカ・コーラやサントリーなどの自販機が並んでいる中に、ダイドーのマシンがあった場合、「お、隣にコカ・コーラがある。じゃあ、ジョージアを買おうか」と思わせないようにする。

正本: その通りです。缶コーヒーを左下に移しても、存在感が弱かったらなかなか気づいてもらえません。そこで何をしたかというと……下の写真を見ていただけますか?

 これまでは「どのようにすれば効果的なPOPになるのか」試行錯誤していました。例えば、缶の左上に「コクと後キレ UP!」といった文字を入れて、目立つようにしていました。しかしアイトラッキングで分析したところ、お客さんは商品を目の前にしたとき、まず上を見て、そして下を見ることが分かりました。そこで、缶コーヒーの上と下にキャッチコピーを入れました。

土肥: ほー。

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