ガムでむし歯が治るってホント?――江崎グリコ 健康科学研究所訪問記一回2粒、20分かんでください(6/6 ページ)

» 2014年03月26日 08時00分 公開
[吉岡綾乃,Business Media 誠]
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ガムをかむことで、唾液が黄金比「1.67」に近づく

――ようやく理解できました。そうやってでんぷんから抽出したリン酸化オリゴ糖カルシウムが入っているガムをかむことによって、唾液中のカルシウムが増え、唾液中のカルシウムとリンの比率を3:10から10:6くらいに変えることができる。こうすれば、唾液から歯にカルシウムが補給されて、再結晶化できる……ということですね。

釜阪: はい。カルシウムとリンが10:6、つまり比率が1.67くらいの状態を、私は唾液の黄金比と呼んでいます。POs-Caをかむことで、唾液が黄金比に近づくのです。

――そういう仕組みということは、もしかしてかみ方が大事なのではありませんか?

釜阪: そうですね、一回に2粒、20分くらいかけてよくかんでください。こうすることで、唾液が黄金比に近づきますので。

――かみ方のオススメはありますか? こんな時にかむと効果的だよ、とか。

釜阪: お好きなときにかんでいただいていいのですが、例えば(1)毎食後、プラーク内pHが低下するとき(2)昼食後など、歯磨きができないようなとき(3)唾液が出にくいと感じるとき などにかむと効果があると思います。

初期むし歯の人、間食が多い、ジュースをだらだら飲んでしまう人におすすめ

――こんな人におすすめ、というのはありますか?

釜阪: まず、初期う蝕がみられる(=初期むし歯だ)と言われた人。あとは、間食が多めの方、砂糖入りのジュースをだらだら飲み続けてしまう方も、口の中が酸性に傾きがちなのでおすすめです。あとはそうですね、かむ習慣づけもかねてお子さんにかんでいただけるといいですね。

 とはいってもガムは食品なので、処方的な摂取を強要することはないのですが……楽しくおいしく、気軽に摂取してもらって、それで健康維持に貢献するのが機能性食品の役割ですから。

――なるほど。栗木さん、釜阪さん、今日はどうもありがとうございました。

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