職業人生の出発にあたり、心得ておきたいこと新社会人に贈る(3/5 ページ)

» 2014年03月25日 09時42分 公開
[村山昇,INSIGHT NOW!]
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 なぜなら、(3)段階の意識で仕事と関わることで、仕事の深い喜びや持続的な成長が得られたり、それらの喜びを肚で知っている人たちと深いつながりができたりするからです。(2)段階止まりか、それとも(3)段階まで入っていくか、長き職業人生にあってこの差は天地雲泥の開きを生みます。(2)止まりの人には、「仕事は生計を立てるためにやるもので、言われた範囲のことはそこそこ頑張ってみるが、それ以上のことはやりたくない」「仕事におもしろみがないので、そこまで能動的になれない」「仕事以外の生活にエネルギーを使いたい」といったような、ある種の冷めた意識があるようです。

 私はここで、「仕事好きになれ」と言いたいわけではありません。「一事が万事(いちじがばんじ)」と言いますが、仕事に冷めている人は、どこか人生にも冷めている人ではないでしょうか。仕事に手を抜く人は、生活でも手を抜いている人です。個人の趣味活動で第一級の楽しみ方をする人は、たとえ仕事が趣味をするための金稼ぎであっても、仕事をやはり第一級のやり方で処理しようとする人です。人がものごとに取り組む姿勢というのは一貫するものです。

 また、いまの仕事がつまらないから能動的になれないという考え方に対して私は、(2)段階にとどまっているから仕事がつまらないんでしょうと返答したい。(3)段階に上っていったなら、仕事の本当のおもしろさがにじみ出てきます。そしてその状態を続けていけば、おもしろい仕事を選べる自分に転換できるのです。“選べる自分になる”についてはこの後詳しく触れます。

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