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» 2014年03月25日 10時00分 UPDATE

女性管理職を育成する:女子バレー・眞鍋監督に聞く、世界で戦う組織をまとめ上げる女性リーダー像とは (1/2)

どうすれば女性リーダーを見抜き、育てていくことができるのだろうか? また、その組織をまとめあげ、結果を残すことができるのだろうか? ロンドン五輪で銅メダルを手にした、バレーボール全日本女子チームの眞鍋監督にお話をうかがった。

[PR/Business Media 誠]
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 男女雇用機会均等法が施行されてから38年が経ち、ビジネスシーンで男性と女性が競い合うのは当たり前になりつつある。安倍政権が成長戦略の一環として女性活躍を推進する「ウーマノミクス」を打ち出したが、日本の女性管理職の比率はまだまだ低い。働く女性をどのように育成していけばいいのか。また女性管理職の資質をどのように見抜けばいいのか。

 バレーボール全日本女子チームの監督を務め、2012年ロンドン五輪で銅メダルを手にした眞鍋政義さんに「女性リーダーの資質の見抜き方/育成方法」「組織のまとめ方」などをうかがった。聞き手は、今年1月に「女性管理職に関する実態調査」を行ったリクナビNEXTの原田芳江副編集長。

yd_3360.jpg リクナビネクストの原田芳江副編集長(左)が、バレーボール全日本女子チームの眞鍋政義監督(右)に「女性リーダーの資質の見抜き方/育成方法」などを聞いた

コミュニケーションは絶対に必要

原田: 眞鍋さんは1993年に、Vリーグの監督としてデビューされました。新日鐵ブレイザーズ(現・堺ブレイザーズ)でプレイングマネージャーという立場でありながら、連覇を達成。2005年には久光製薬スプリングスの女子チームの監督に就任され、V・プレミアリーグで優勝を手にされました。男女の監督を務め、両方で優勝した人は2人しかいません。男女のチームを指導されて、どのようなことを感じられましたか?

眞鍋: 男性と女性では、メンタルが大きく違いますね。女性の場合、できるだけ「公平」さを心がけています。例えば、ある選手に「5分」指導して、次に、別の選手に「10分」指導したとします。すると、最初に教えた選手が“妬み”を感じるんですよ。「どうして私に教えてくれる時間は短いの?」といった感じで。女子チームを初めて指導したときには、このことにとまどいましたね。一方の男性は、こうした感情はほとんどありません(苦笑)。

 あと、女性を指導するようになってからは、とにかくコミュニケーションの数・量ともに増やしました。練習が終わってから、個別に話をしたり、グループで話をしたり。褒めるときには、個別で褒め、注意するときにも、個別に注意しなければいけません。一方の男性は、ほとんど気を使いませんでしたね。

原田: 女性の心をつかむために、何か心がけていることはありますか?

眞鍋: 男性の場合、嫌な上司から「これをしてくれ」と言われても、「仕事だから仕方がない、やるか」となりますよね。一方の、女性は違う。笑顔で「はい」と言いながら、心の中では「この上司、無理!」などと感じている。そうなると、なかなか動いてくれません。

 でも「この上司のために、がんばろう!」と思ってくれると、女性はものすごいチカラを発揮してくれるんですよね。男性の監督として、女性の選手たちを味方につけることはものすごく大切なこと。チームをひとつにまとめあげ、結果を出すためには、女性の心をつかまなければいけません。

 先ほども申し上げましたが、コミュニケーションには気を使っています。ただ、監督という立場だからと言って、上から目線で話してはダメ。上から語っても、女性は心を開いてくれません。できるだけ同じ目線になること。また、失敗談などを語って、自分をさらけ出したほうがいいです。自分の心のドアを常にオープンにすることによって、彼女たちも心を開いてくれるのではないでしょうか。

 バレーボールというのはリズムのスポーツでもあり、助け合いのスポーツでもあります。スタッフと選手が一致団結しないと勝てません。そのために必要なこととして、コミュニケーションは絶対に欠かせません。

 あっ、そうそう……選手たちの誕生日には、メールを送っていて、文面にも気を使っているんですよ。同じような文面でないと、選手たちの間で“妬み”が生まれますからね(苦笑)。

チームの現状を把握する

yd_3262.jpg 世界で戦っていくためには「自分たちの現状を把握しなければいけない」(眞鍋監督)

原田: 眞鍋さんは「全日本女子の監督」という立場なので、世界で戦えるチームを作り上げなければいけません。そうした女性の集団を作るにあたって、どういったことを意識されているのでしょうか?

眞鍋: 目標は「世界」レベルなので、自分たちのチームの現状を把握しなければいけません。世界の女子バレーと比べて、日本はどの位置にいるのか。こうした現状把握を間違えると、目標設定がかなり変わってきます。さまざまなことにアンテナを張りながら、世界の女子バレーはどういった方向に進んでいるのか。その方向に対して、日本チームはオリジナルを追求していかなければいけません。

 もちろんバレーボールを知ることは大切なのですが、それだけではダメ。例えば、フランスに行ったら、ルーブル美術館に足を運んで、絵画などを見て、感性を高めることも大切なのではないでしょうか。人間性を高めることによって、バレーボールの技術力アップにもつながると思っています。

原田: バレーボールというのはチームプレー。女性をまとめることは、大変そうですね。

眞鍋: ものすごく大変ですね。ただ、何もしなければ、世界で戦うことはできません。そのためには、僕はどんな手段でも使います。その1つとして、大事な試合の前にはモチベーションビデオを見せているんですよ。

例えばオリンピックの試合の前には、これまでの4年間の練習や試合などの映像を編集して、それを見せています。小さな部屋を暗くして、そこに30人くらいが集まって。映像は5〜6分でまとめているのですが、そこに全員が登場する。音楽や歌の歌詞も入れて……かなり手がかかっているんですよ。

で、見終わったあとには、全員が号泣しました。その後、選手の気持ちがひとつになったので、いいモチベーションで試合に挑むことができましたね。

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提供:株式会社 リクルートキャリア
アイティメディア営業企画/制作:Business Media 誠 編集部/掲載内容有効期限:2014年4月7日

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