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» 2014年03月20日 08時00分 UPDATE

臼北信行のスポーツ裏ネタ通信:なぜ巨額な利益を生み出すのか、米国発「総合格闘技」のビジネスモデルを知る (1/4)

巨額な利益を生み出す、米国発の世界的総合格闘技「UFC」をご存じだろうか。なぜ「街のケンカ」から「スポーツ格闘技」へイメージチェンジできたのか、どんな手法で巨額な利益を生み出す興行に成長したか、その仕組みを解説しよう。

[臼北信行,Business Media 誠]

著者プロフィール:臼北信行

日本のプロ野球や米メジャーリーグを中心としたスポーツ界の裏ネタ取材を得意とするライター。WBCや五輪、サッカーW杯など数々の国際大会での取材経験も豊富。


 打つ・蹴る・投げる・極(き)める――。これらの攻撃法をルールで容認した格闘技があることをご存じか。それが「MMA(ミックスド・マーシャルアーツ)」。日本では「総合格闘技」などと言われている。熱心なファンからすれば「何をいまさら」と思われることばかりかもしれないが、おそらくほとんど知らない人が大半だと思う。今回はこのMMAと興行ビジネスについてクローズアップしてみたい。

photo 「UFC」公式日本語サイト

「MMA」は、巨大な利益を生み出す総合格闘技の興行ビジネス

 MMAは攻撃手段の制約を最大限取り除いた上で優劣を争う格闘技。各大会において多少の差異はあるが、目つぶしや金的蹴り、頭突きなど、人体に甚大な危険を及ぼす可能性の高い攻撃は禁じ手としつつ、それ以外の攻撃は基本的に“打・蹴・投・極”のすべてにおいて何でもOKとなる。出場する選手はオープンフィンガーグローブの着用が義務付けられ、ラウンド制のもとで勝敗を競う。テクニカルノックアウトやタップアウトなどで勝敗が決しない場合は、ジャッジの採点で判定となる。

 いわゆる「メジャー」と称されるプロ選手出場の大会を運営する団体の多くが、米国・ニュージャージー州アスレチック・コントロール・ボード(NJSACB)が制定したMMA統一ルールと、ネバダ州アスレチック・コミッション(NSAC)によって取り決められた体重別の階級制を導入する。そして“オクタゴン”という八角形の金網ケージで囲った試合場(リング)で選手同士が戦う。メジャーの中でも業界最大と呼ばれるMMAの大会が「UFC(ジ・アルティメット・ファイティング・チャンピオンシップ)」である。

 UFCは諸外国でも頻繁に大会が開催されている。日本大会も2014年9月20日にさいたまスーパーアリーナで開催されることが決定した(約1年半ぶり、同会場では3回目の開催)。UFCの試合中継はBS放送のWOWOWとFOXスポーツ&ジャパンでも定期的に放送されているので、格闘技に興味のない人も名称ぐらいは聞いたことがあるかもしれない。世界のMMAトップファイターをズラリとそろえ、安定した人気を誇るUFCは、いま日本では想像もつかないほど巨額の利益を生み出す巨大ビジネスとなっている。

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