コラム
» 2014年03月13日 08時00分 UPDATE

女性脳と男性脳の論理:別れた男のことは“きれいさっぱり忘れる”女心に潜む「隠れた前提」 (1/2)

ビジネススクールで論理思考を教える“男性脳”の筆者が、摩訶不思議な存在である女性と女性の脳を観察、分析する。女は一度別れた男のことはきれいさっぱり忘れ、男は未練がましい――というのは本当だろうか?

[溜田信,GLOBIS.JP]
GLOBIS.JP

 理系、戦略コンサル出身。ビジネススクールでは論理思考を教える“男性脳”の筆者が、摩訶不思議な存在である女性と女性の脳を観察、分析するコラム第2回。今回のテーマは積年の疑問「女は一度別れた男のことはきれいさっぱり忘れ、男は未練がましい」というのは本当か――。

 さて、女性と男性の違いを論理的に考える事になった私だが、まずは一番気になっている話題から始めたい。

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 それは、宴席などでよく聞く「女は一度別れた男のことはきれいさっぱり忘れ、男は未練がましい」という類の話だ。さらに、過去の恋愛について「女性は新しい恋で上書き保存。男性はフォルダ分けして永久保存にする」というのも聞いたことはないだろうか?

 実は、歌手の華原朋美さんが過去に手痛い失恋をした相手として報じられている音楽プロデューサー・小室哲哉さんと、FNS歌謡祭でついに共演した、というニュースがテレビで取り上げられていた。このニュースを観て私の頭に生じたのが、冒頭の定説に対する疑問だ。華原朋美さんは昔の恋を忘れるのに、大変な年月を要しているように見える。女は“きれいさっぱり忘れる”というのは当たっていないのではないか? あるいは単に彼女が例外的なだけなのだろうか? 何にせよ、多くの人が女性のほうが過去の恋愛を引きずらないと言うからには、そこに何らかの真実が含まれているはずだ。それは何なのだろうか。

ある日突然嫌いになったんですよ

 偶然とは重なるもので、今まさに原稿を書いているときにラジオから流れてきたのが、槇原敬之さんの『もう恋なんてしない』だ。“もう恋なんてしない……なんて言わないよ 絶対”と、要は男性の立場から昔の恋人を忘れられない心情を書いている。

 さらにその次にかかった曲が、Taylor Swiftの歌う『We Are Never Ever Getting Back Together』だ。私たちは絶対、絶対、ヨリを戻したりしない……ってことは、やっぱり女性は忘れるのかな? いや、こういうのは逆に「ヨリを戻したい」って気持ちの裏返しなのか?

 そこで早速、グロービスの女性陣に集まってもらい、この疑問をぶつけてみた。はたして女性は一度別れた男のことはきれいさっぱり忘れるのか? 以下、インタビューの中から興味深かったところを抜き出してみよう。

溜田:なぜ女性は別れた男をスパっと忘れられるのか。いや、これは、男のほうがなぜ忘れられないのか、というのと裏腹なのだけれど、まずこれが本当なのか。そこから教えてほしいんだけど。

Yさん:普段、こういうことはあまり話さないんですが、溜田さんからの質問なので、一応、情報共有ということで言っておくと……。

溜田:(じょ、情報共有?)

Yさん:私、過去にすごく長く付き合った人がいて、絶対一緒にいたいと思っていたんですね。すごく好きだったんですけど、ある日突然嫌いになったんですよ。あんなに好きだったんですけど……。分かります?

溜田:(ぜ、全然、分かりません)

Yさん:で、そんな彼から半年前ぐらいに電話がかかってきたんですよ、朝。私、声も覚えてなくて「誰?」って言って。「いや、おまえは俺を絶対に知っているはず」とか言うから「誰ですか? 朝っぱらから、いたずら電話は止めてください」って切ろうとして。

溜田:(……気の毒すぎる。でもやっぱり忘れるんだ)

Jさん:確かに、女性は上書きして、男性はスタンプみたいに貯めていくっていうのは、よく言いますよね。

溜田:(あ、みんな頷いてる。そうなんだ)

Sさん::そうそう、男性はわざわざ名前を付けて保存する。

Jさん:でも女性は次が始まると1つ前は消去、みたいな。そういう感じは確かにあります。

溜田:(消去……)そういう話はJさん個人としても同意できる感じ?

Jさん:そうですね。私は前の会社で子どもを産むまでは、しょっちゅうおじさんと飲みに行っていたんです。上司とかが、昔付き合った女性の話とかをうれしそうにするんですよ。それ自体、なんかもう、私に対して100%油断しているなとか思っちゃうんですけど、3年ぐらい前に終わった話を何度もリフレインする。「相手は全然、覚えてないですよ」って思うんですけどね。女性はそういう話をしないです。女性は今どうなっているかとか、今どうしようかっていう話はしますけど、3年も前の話はそんなにロマンチックに語る人はほぼ見たことない。

溜田:(やっぱり男性って忘れないんだ。でも……)

Sさん::ある、ある!! 仕事以外の人間関係だと、私は大体「関係ある」「関係ない」で分けていて、「関係ある」の中に「好き」「嫌い」がいる感じ。

溜田:別れた人で「関係ある」に残った人はいました?

Sさん::いないです。

溜田:(即答!?)

Sさん:連絡も取らなくなりますし、会わなくなるので。

溜田:感情的に残るとかないの?

Sさん::もちろん別れてすぐってことはないんですけど、1年とか2年とか時間が経って忘れていって、関係ないボックスの中に入ってパーッといなくなる感じ。

溜田:(……ん? あれ? すぐ忘れるんじゃなかったの?)

Kさん:私は恋愛でもなんでも、結構引きずるので、上司とか周りの人の良いところや悪いところもわりと覚えているほうだと思います。普段は忘れていますけどね。でも周囲の友人たちは皆さんみたいな人が過半数、というかほとんどだと思います。どんどん上書きしていく人が多い。スポーツみたい。「この勝負は負け! はい次!!」みたいな。


 インタビューはこのあとも延々と続いたのでまたいずれ紹介するとして、ただこの短いやりとりの間にも、私の目には過去の恋愛への記憶に関する“定説”に少し違った面が見え始めていた。というか、実は最初から違和感を持っていた点が、よりクリアになったというほうが近いかもしれない。

 私には「あなた、以前に***と言ったわよね」「×××の時に、○○○○したじゃない」など、女性から過去の小さなことを掘り返されては、「よくもまぁ、女性は昔のことを、そこまで細かく覚えているものだな」と半ば感心し、半ば呆れた個人的な経験がある。この経験は恐らく、男性の多くが経験するものではないだろうか。詳しくは次回以降に掘り下げたいが、かくのごとく何でもかんでも覚えている女性が「恋」だけは都合よく忘れられるなんてことはあるのだろうか、とも思うのだ。

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