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» 2014年03月06日 08時00分 UPDATE

伊吹太歩の時事日想:ウクライナ政変で登場した「ヒロイン」から日本が学べること (1/3)

炎上するウクライナの首都で、「独裁から自由になりたい」と訴えかけるウクライナの美女。このようなプロパガンダ的なPR作戦が行われるのは外国の常識である。

[伊吹太歩,Business Media 誠]

著者プロフィール:伊吹太歩

出版社勤務後、世界のカルチャーから政治、エンタメまで幅広く取材、夕刊紙を中心に週刊誌「週刊現代」「週刊ポスト」「アサヒ芸能」などで活躍するライター。翻訳・編集にも携わる。世界を旅して現地人との親睦を深めた経験から、世界的なニュースで生の声を直接拾いながら読者に伝えることを信条としている。


 ウクライナが大変な事態に陥っている。

 端的に言うと、「旧ソ連のウクライナがロシアとEUのどちらに付くかで大規模なデモが発生した」ということなる。ウクライナでは2004年にもオレンジ革命と呼ばれる政変が起き、そのときも親ロシアと反ロシアの勢力が衝突、反ロシア勢力が勝利した。

 今回の騒乱では、ロシア寄りだったウクライナのビクトル・ヤヌコビッチ大統領が、EUとの政治的・経済的な連携強化のための連合協定の交渉を突然中止すると発表したことが発端となった。そして最大貿易相手国であるロシアとの積極的な対話を再開すると決め、ロシアから150億ドルの経済支援と天然ガス料金の33%の値引きを取り付けた。

炎上するウクライナの首都に現れた「ユリア」とは?

 それに対して、反政府勢力は大規模な抗議活動を実施。反政府・親EUの大規模デモが発生し、2014年2月24日、ヤヌコビッチを大統領の座から引きずり降ろすことに成功したのだった。その後も、EU+米国対ロシアという冷戦さながらのやり取りが繰り広げられ、ロシアのウラジミール・プーチン大統領がもともとロシア寄りの地域であるウクライナ南部クリミアに侵略することになった。

 今も目が離せないウクライナ政変だが、今回の反体制派によるデモ活動の中で、1人のマドンナ的女性が登場した。一般のウクライナ人である「ユリア」だ。彼女の登場は、瞬く間にネットで拡散され、世界中に話題が広がった。

 ユリアは、「私はウクライナ人」というタイトルのビデオに登場し、世界に向けてメッセージを伝えた。そしてその華のある容姿が注目され、CNNなど大手メディアなどでも取り上げられるようになった。一気に知名度が高まり、閲覧回数は2014年2月10日にアップされてから750万回近くに達している。

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