――「畑からのビールつくりプロジェクト」には、のべ1900人以上の社員が参加されたそうですね。どのようなきっかけで、このプロジェクトを始めようと思われたのですか?
石川: グループ会社が増えていく中で、「組織の枠を越えて何か新しいことに挑戦しよう」ということが根底にありました。ビール会社として何ができるのか――を考え、ビールづくりに全社員で取り組もうと決めました。
これまで研修制度の一環として、社員が大麦畑に足を運んで、収穫作業を体験することは何度かありました。ただ、今回のように、グループ社員全員にメールを送信して、プロジェクトへの参加を募ったのは初めてですね。
――石川さんも実際に畑に行かれたそうですが、現場ではどのような苦労があったのでしょうか?
石川: ホップ畑は、北海道の富良野町にあるのですが、ここは新しく借りた土地なんです。なので、最初は更地。なにもなかったところなので、まずは耕すことから始めました。1年目は試験栽培をして、2年目になってようやくゼロからスタートすることができました。
苦労ですか? 苦労というよりも、「不安」がありました。それは天候。北海道は雪が多く、雨も多い。収穫のタイミングが難しいのですが、たまたま天候に恵まれて、よいホップを収穫することができました。
収穫する際には、ちょっと苦労がありました。長さ4〜5メートルの木の棒があって、その先端にはクワが付いているんですよ。作業をする者はその棒を持って、ホップを切っていかなければいけません。そして、ホップと枝を分ける作業をして、トラックに積まなければいけません。
大麦の収穫は、これまでも研修の一環として何度か行ってきました。ただ、畑に入るのが「初めて」という人も多いので、事故がないように気をつかいました。大麦の畑は、埼玉県行田市にあるのですが、事前に契約農家の人たちと「どういった手順でやればいいのか」といった打ち合わせをしました。
大麦を収穫する際、農家の人たちは機械を使用します。しかし、私たちは手刈り。収穫は夏の暑い日だったので、体力的にキツかったですね。
――このプロジェクトに参加した社員からはどんな声があったのでしょうか?
石川: 「『ビールが自然の恵みからできている』ことを改めて実感した」という声が多かったですね。
あと、契約農家の人たちと触れる時間がたくさんあったので、「ホップや大麦を生産するにあたっての苦労話を聞いて、いろいろと参考になった」という意見もありました。
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