サッポロビールの「まるごと国産」――社員が原料づくりから携わる、その狙いは?国産原料100%(1/3 ページ)

» 2014年03月05日 00時00分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]
サッポロビールの「まるごと国産」。4月22日から発売

 サッポロビールは4月22日に、自社で育種開発した大麦とホップを用いた、国産原料100%ビール「まるごと国産」を発売する。発売エリアは関東圏(東京・神奈川・埼玉・千葉・山梨・茨城・栃木・群馬)に限定されるが、Webサイトでも先行予約を受け付ける。パッケージは350ml缶のみで、店頭価格は270円前後。アルコール度数は5.5%で、販売は5万ケース(350ml×24本換算)を予定している。

 「まるごと国産」は、全国のサッポロ社員がビールの原料づくりから商品開発まで携わった「畑からのビールつくりプロジェクト」から生まれた。同プロジェクトは2011年に発足し、社長から新入社員まで、全国のさまざまな職種や年齢の社員が、ビールづくりに取り組んだ。

 プロジェクトに参加した尾賀真城社長は「昨今、国内で栽培・収穫・醸造した――いわゆる“日本ワイン”が注目を浴びている。私たちは『さらにおいしいビールをつくりたい』『おいしいビールを届けたい』という思いがある。“純国産”にこだわり、私たちの手でつくり・育て・収穫したビールが実現した」と語った。

 「まるごと国産」の原料は、同社が長年の研究で品種開発した埼玉県産大麦「彩の星」の麦芽、北海道富良野産ホップ「リトルスター」を100%使用している。多くの社員が埼玉県と北海道の畑に足を運び、大麦とホップの収穫などに携わったが、なぜそんな取り組みを行ったのか。また現地でどんな苦労があったのか。同社・ブランド戦略部の石川孝さんに話を聞いた。

北海道富良野町にあるホップ畑(左)、ホップ「リトルスター」(右)

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