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クラウド? パッケージ? 青色申告ソフトの選び方消費税8%時代の確定申告(6/8 ページ)

» 2014年03月04日 08時00分 公開
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家事按分の設定は簡単か?

 マネーフォワード 確定申告の家事按分はいたって普通。勘定科目、補助科目を選択し、事業費率をいれるだけ。freeeは、補助科目の概念がないので、タグ名として事業利用比率を入力する。家事按分に関してはどちらも問題なさそうだ。

決算書と確定申告書B

 決算書は、それまでの記帳に間違いがなければ集計されるだけなので、特に問題ないだろう。確定申告書Bの作成に関しては、残念ながら完成度は低い。やよいの青色申告14や、ツカエル青色申告+確定申告14などのパッケージソフトと比べると天と地ほどの差がある。

 マネーフォワード 確定申告の場合、社会保険料控除の入力時にプルダウンメニューがない。パッケージソフトでは国民年金、国民健康保険といったプルダウンが表示されるのが当たり前なので操作性はイマイチだ。生命保険料控除も自動計算されないので、新制度、旧制度の一般、介護医療、年金の金額から、自分で控除額を計算することになるうえ、間違った金額を入れてもそのままアラートもなく確定申告書Bに記載されてしまう。

 配偶者控除は、パッケージソフトでは奥さんの収入や所得を入力すれば控除額が自動計算されるが、これも手入力。あり得ない金額を入れてもそのままスルーだ。扶養控除では、子どもの誕生日を19歳以上23歳未満としても「特別扶養親族」という判断はせず、手入力した金額がそのまま表示される。

マネーフォワード マネーフォワード 確定申告は社会保険料控除にプルダウンなし。生命保険料控除も自動計算されないので、計算を間違ってもそのまま申告書に反映される。当然、納税額も間違った額となる
マネーフォワード 生命保険料控除が間違ったまま反映された。配偶者控除も扶養控除もあり得ない金額がそのまま記載された

 freeeの確定申告書Bは、原稿執筆時点では「確定申告期間中に対応」とアナウンスしているので、「β版としての公開」という位置付けになるだろう。公式アナウンス時点では改善されている可能性があるが、執筆時の状況をお知らせしよう。(※編集部より:freeeは、2014年2月27日に「確定申告書B」への対応を公式に発表しました。本稿は、2月27日以前の段階でのレビューになります)

 まず、社会保険料控除のプルダウンがないのは、こちらも同様。生命保険料控除は自動計算される。配偶者控除は未完成で、通常の手順では「0円」となる。手入力で記入することはできるが、計算機能はない。扶養控除も誕生日などによる自動計算はなく、間違った金額を入れてもアラートなしで、そのまま確定申告書Bに反映されてしまう。

freee 生命保険料控除は自動計算される。配偶者控除は収入を記入することができない。扶養控除は生年月日を記入しても控除額に反映されない
freee 生命保険料控除は正しく計算されたが、配偶者控除、扶養控除はあり得ない金額がそのまま記載された

 目の前の確定申告には間に合わない感じがするが、どちらもこの部分に関してはこれから対応といった感じだ。現状では、ユーザーが自分で控除額を計算して入力する必要がありそうだ。それほど修正が難しいポイントではないので近いうちに改善されるだろう。

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