筆者はコンビニ会社に入社後、ある店で飲料の品ぞろえを任されていた。当時は、夏場にコカ・コーラの500ml(缶)が期間限定で発売されていた(現在は期間限定ではなくなった)。コカ・コーラの販売状況を確認したところ、500mlが発売されると350mlの販売が低迷する。なぜかというと、350mlも500mlも同じ値段で売っていたからだ。
当時は、冷蔵機の台数も少なく、次から次に出てくる新商品に悪戦苦闘。上司からは「直営店なんだから新商品は全部取れ!」という無茶な命令があったので、売り上げが落ちてきた商品を片っ端から外していった。コカ・コーラも「同じ値段なら500mlだけ売っていたらいい」と思い、350mlを棚から外した。「500mlの量が多かったら、お客さんは捨てるだろう」といった安易な発想があったからだ。
1週間ほどすると、上司からものすごい剣幕で電話がかかってきた。「バカヤロー! 日本全国のコンビニでコカ・コーラ350mlがないのはお前の店だけだぞ!」と(本部事務所では、各店の詳細データが閲覧できるようになっている)。本当に日本全国のコンビニでウチだけだったかは定かでないが、ものすごい勢いで怒られたのだ。
とりあえず、自分なりの理由は説明したものの、「ごちゃごちゃ言ってないで、さっさと発注しろ!」と、一方的に電話が切られた。のちに、定番商品の大切さを知ったわけだが、当時はなんて非論理的な上司なんだと、周りに愚痴っていたものだ。
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