実はこの作品、2010年に制作されている。リリース当初はフランス語が分かる人しか見られなかったために、あまり話題になることはなかった。ただそれでもウクライナの映画祭では賞を獲得した。
だがなぜ今ごろ注目され始めたのか。監督のエレオノール・プリアは、「実際のところ、今のように興味を持たれることを望んでいた」と、英メディアの取材に語っている。
「(最初に作品が公開された)5年前のフランスでは、『フェミニストであることが今キテるのか』なんて質問をされた。今なら誰もそんな質問はしない。現在、フェミニストの戦いはさらに重要になっている。5年前、私は自分がよそ者であるかのように感じた。(女性の)権利が危機的状況にあるから、今、私の作品は話題になっている。スペインで中絶の権利が問題になっているのもその例だ。すべての人にとっての結婚、同性愛嫌悪や性差別もそうだ。フランスでは今日、それは黒潮のようなものだ」
そして2013年始めに英語字幕版がYouTubeにアップされると、この作品は注目され始める。まず1週間で230万回再生され、それから徐々に話題は広がり、今では再生回数が500万回を越えている。
ちなみにここまで話題になると、彼女にはアンチ・フェミニストからの心ないメッセージが多く届いているという。もちろん、マッチョイズム的(男性至上主義的)な考えをもっている男性も多いだろうし、女性だからといって、みんながフェミニストというわけではない。もちろん簡単に白黒で割り切れない問題でもある。
この作品は、舛添氏にこそ見てもらいたい。なぜなら、世界で大々的に報じられたことから、世界のフェミニストの間では、舛添氏はもはや女性蔑視知事として知られているに違いないからだ。
そんな人が仕切る東京オリンピックでは、もしかしたら、大規模なフェミニスト団体の抗議デモが発生してもおかしくない。東京オリンピックの成功に関わる可能性だって十分にあるのだ。
だからこそ今、舛添氏にこの作品を見てもらい、女性に対する誠意を見せてもらいたいと思うのは私だけではないだろう。
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