コラム
» 2014年02月19日 16時00分 UPDATE

INSIGHT NOW!:全国展開する「はなまるうどん」や「丸亀製麺」が福岡で苦戦するワケ (1/2)

全国展開するうどんチェーン「はなまるうどん」や「丸亀製麺」が、福岡では業績不振に陥っているという。その背景には福岡独特のうどんに対する文化がある。

[中村修治,INSIGHT NOW!]
INSIGHT NOW!

著者プロフィール:中村修治(なかむら・しゅうじ)

有限会社ペーパーカンパニー、株式会社キナックスホールディングスの代表取締役社長。昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。


photo 博多はうどんへのこだわりが強い“うどん特区”なのだ

 うどんと言えば讃岐か……いやいや、博多である! 福岡市博多区の承天寺には「饂飩蕎麦発祥の地」という石碑があり、麺を食べる文化は博多から全国へと普及したと考えられている。うどんへのこだわりが強いので、「はなまるうどん」や「丸亀製麺」という全国ブランドが出店しても大概が業績不振で頭を抱える。博多は“うどん特区”なのだ。

 うどんが博多のソウルフードだと言わしめる地元の2大チェーン店がある。福岡発の「牧のうどん」と、北九州発の「資さんうどん」(すけさんうどん)だ。

 牧のうどんを運営しているのは、有限会社釜揚げ牧のうどん。福岡県と佐賀県の国道沿いに20店舗近く展開している。注文時は各テーブルに置いてある伝票に、店員か客自らが赤鉛筆で正の字を書く。特筆すべきは食べても食べてもなくならない麺だ。ゆっくり食べていると、麺が出汁をどんどん吸い込んで伸びてしまう。困ってフロアにいるおばちゃんにお願いすると、当たり前のようにスープが入ったやかんを持ってくる。そういう一見ガサツな動きも含め、店内に活気がある。

 一方の北九州市発の資さんうどんは、近年福岡市内での出店も盛んだ。事業主体は株式会社資さん。1980年の創業で、福岡県と山口県に約40店舗を展開、ちゃんぽん専門店や天ぷら専門店も他ブランドで運営している。もちろんうどんもおいしいのだが、特筆すべきは豊富なサイドメニューだ。焼きうどん、おこわ、おでん、カレー、梅ひじきごはん、ジャンボいなり、さらに評判の高いぼた餅も用意する。うどん屋に“スイーツ”、これは女性やファミリー客にポイントが高い。

photo 資さんのWebサイト。豊富なサイドメニューや麺へのこだわりを紹介している

 この2つのうどんチェーン、出店戦略やメニューはそれぞれ異なるが、1つだけ共通していることがある。働いている“おばちゃん”がとにかく元気なのだ。おばちゃんたちの動きのキレがすさまじいのである。案内係というリーダーのおばちゃんの仕切りに合わせて、完ぺきなフォーメーションができている。機会があれば一度見てみることをオススメする。なぜ博多のうどん屋さんのおばちゃんは元気なのか。自身のFacebookで理由を聞いたところ、たくさんの仮説をいただいた。その諸説をご紹介する。

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