インタビュー
» 2014年02月19日 08時00分 UPDATE

仕事をしたら“客の迷い”が見えてきた(後編):日本のスーパーは遅れている? 客のデータを分析しなければいけない (1/5)

3Dセンサーを使って、お客の購買行動を可視化する動きが出てきた。こうした情報を蓄積していくことで、今後はどんなビジネスが考えられるのだろうか。ビッグデータ分析を手掛けるミディーの深谷社長に話を聞いた。

[土肥義則,Business Media 誠]

仕事をしたら“客の迷い”が見えてきた:

 とあるコンビニでのこと。デザイン会社で勤める田中健作さん(仮名、30代)は、商品を購入する際、いつも“迷って”いるという「うーん、今日のお昼ご飯どれにしようかな……」。棚に並んでいる唐揚弁当を手にして、「おいそうだな……。でも最近、肉ばかり食べているから、今日は魚にしよう」。ということで、唐揚弁当を元に戻し、シャケ弁当を手にする。

 弁当だけではなく、飲料でも同じように迷う。「新商品のお茶にしようかな。それともいつものやつにしようかな」といった感じで。そんなこんなで悩んだ挙句、ようやくレジへ。

 田中さんはコンビニに10分ほど滞在したが、店側に残るデータはこれだけ。「30代、男性、シャケ弁当、ペットボトルのお茶を購入」――。彼のように「これにしようか、いやあれにしようか」という“悩みの行動”はこれまでよく分からなかったが、最新機器を使うことでいろいろなことが見えてきたという。

 ん、どういうこと? なんだか気持ち悪いなあ。と思われるかもしれないが、そんなに心配する話ではない。店内に3Dセンサーを設置して、お客が「通過した」「立ち止まった」「商品を手にした」「購入した」といった情報を分析しているだけ。情報は数値化されているので、「“田中さん”がシャケ弁当を購入した」といった感じで、個人が特定されるわけではないのだ。

 お客の行動を分析しているのは、株式会社ミディー。膨大な情報を数値化することで、どんなことが分かってきたのだろうか。「この商品の前では、多くのお客が悩んでいる」といった傾向はあるのだろうか。社長の深谷由紀貞さんに、話を聞いた。

 →なぜ歯ブラシを買うのに迷うのか? 客の行動を分析して、分かったこと(前編)

 →後編、本記事


データ分析に向いていない商品

土肥: 深谷さんの会社は3Dセンサーを使って、お客が買い物をしているときの“迷い”を可視化されました。詳しいことは前編をご覧いただきたいのですが、「え〜〜、この記事を読んだだけで、分かるように書いてよ〜〜」という読者のために、簡単に仕組みを説明しますね。

 お店の高いところに3Dセンサーを設置することによって、お客の「通過」「立ち止まり」「接触」「購買」という行動が、数字で分かるようになりました。その結果、これまで「この商品は売れているから、ヨシ、ヨシ」「この商品は売れていないから、ダメ、ダメ」と思っていたことが、実はそうでもないことが明らかに。

yd_fukaya1.jpg 3Dセンサーを使ったサンプル動画のひとコマ。実際には数値化されているので、個人は特定できない

 下の棒グラフを見ていただけますか。ブランドA(125人)とブランドB(108人)の購買者数をみると、ブランドAのほうが多いので「Aはよく売れている。Bはイマイチ」と判断してしまいますよね。でも、それは早合点。その商品に触ったかどうかを示す接触者数をみると、ブランドA(140人)よりもブランドB(175人)のほうが多い。つまり、お客にとってBは「気になる商品」であり、店頭での情報発信などのテコ入れによって、今後は購買者数が大幅に増えるかもしれない。

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