初歩的な経費の入力は以上だ。複式簿記を知らなくてもソフトがカバーしてくれるのはありがたい。次は売り上げとその回収を記帳してみよう。記帳例は法人に対する商売で、月末締め翌月末銀行振り込みといった掛け売りの場合だ。
かんたん取引帳の「売上」をクリック
納品、請求書の発行などで売り上げが発生した場合は「売上」の「商品を掛で販売した」を選択
1月末に原稿料10万円を売り上げとして計上する。初期設定で売掛金の補助科目として取引先を登録したので右側に会社名が表示されている
「仕訳日記帳」を開くと貸方(右側)に売上高、借方(左側)に売掛金と複式簿記で記帳されたことが分かる
売り上げを回収する際の記帳は、初心者に訪れる最初のハードルだ。掛け売りの回収で一般的なパターンを確認しておこう。
- 請求した金額がそのまま振り込まれる
- 請求した金額から振込手数料が引かれて振り込まれる
- 請求した金額から源泉徴収が引かれて振り込まれる
- 請求した金額から源泉徴収と振込手数料が引かれて振り込まれる
最初の請求金額がそのまま振り込まれるのは簡単だが、それ以外は記帳がやや難しくなる。今回は最後の源泉徴収と振込手数料が引かれて振り込まれるパターンで記帳してみたい
次は回収だ。翌月、代金が振り込まれた場合の記帳方法は「回収」の「取引名」から選択する。物販などで請求した金額どおりに振り込まれた場合は上から2行目の「掛代金が普通口座に振り込まれた」を、振込手数料を引かれて振り込まれた場合は3行目の「掛代金が振込手数料を差し引かれて……」を選択する。原稿料などで源泉徴収されて振り込まれた場合は下から2行目の「報酬などの掛代金が源泉徴収所得税を差し引かれて……」、さらに振込手数料も引かれた場合は1番下の「報酬などの掛代金が源泉徴収所得税と振込手数料を差し引かれて……」を選択する。今回は源泉徴収と振込手数料を引かれたケースを記帳してみよう
売掛金の金額を記入し取引先を選択する。源泉徴収税額を売掛金から計算して記入する。この部分が自動で計算されないのは少々残念。振込手数料は取引先から知らされないので振り込まれた金額から逆算して記入する。最後に銀行口座を選択して完了だ
「仕訳日記帳」を開いて入金処理を確認すると10万円に売掛金が銀行口座に8万9475円振り込まれ、源泉徴収税分が事業主貸、振込手数料が支払手数料として記帳され合計額が売掛金と同じになっていることが分かる
タブバーの日常から売掛帳を開いて売掛金の確認をする
売掛帳では3つに分かれた入金処理が1つの諸口にまとめられ、1月末に請求した10万円が2月末に回収され残高が0円になっていることが分かる
このように入金処理を1つとっても、簿記の知識がない人が自力で複式簿記による記帳をするのは難しい。しかし、ツカエル青色申告+確定申告14はガイダンスにそって選択し金額等を記入すれば簿記を知らなくても記帳される。
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