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» 2014年02月14日 08時00分 UPDATE

消費税8%時代の確定申告:初めての人でもできる「白色申告」――やよいの白色申告オンライン編 (1/12)

初めて確定申告にのぞむ人など確定申告デビューを予定している人を対象に、具体的な確定申告書の書き方を紹介する。「発生主義」「家事按分」などの基礎知識を覚えよう。

[奥川浩彦, 監修:木村税務会計事務所 税理士 木村聡子,Business Media 誠]

 これまで青色申告と白色申告の比較(参照記事)節税対策(参照記事)消費税対策(参照記事)を紹介してきた。ここからは初めて確定申告にのぞむ人や今年独立を予定していて1年後には確定申告デビューを予定している人を対象に、具体的な確定申告書の書き方を紹介しよう。

 前半では青色申告の人も白色申告の人も知っておきたい記帳のための基本的知識を、後半では実際に白色申告をする場合の記帳方法と確定申告書の書き方などを説明する。青色申告の方法は次回以降で説明予定だ。

現金主義、発生主義とは――帳簿の付け方の基本(1)

 聞き慣れない言葉だと思うが、帳簿を付けるさいに現金主義発生主義という手法がある。現金主義は、現金を受け取ったときに売り上げを上げる方式、発生主義は、事象が発生したときに売り上げを上げる方式だ。

 企業と取引をする場合、例えば2月中旬に仕事を納品したならば、2月末に請求書を出し、3月末に銀行振り込みがされるといった流れが一般的だ。現金主義であれば入金のあった3月の売り上げとなるが、発生主義であれば仕事を納めた2月の売り上げとなる。

 白色申告であれ、青色申告であれ、帳簿を付ける場合の基本は発生主義だ。ネットで検索すると白色申告は現金主義、青色申告は発生主義と書かれていることもあるが、これは間違い。青色申告の一部に現金主義が認められているが、通常は発生主義で記帳することになる。

 注意するのは12月と1月、期をまたぐときだ。発生主義では12月に納品して、1月に入金された売り上げは12月の売り上げとなる。年が明けてからの売り上げではなく、前年分の売り上げということだ。

 付け加えると、預金通帳の入金の履歴を見て売り上げを記帳するのも間違い。請求書をベースに売り上げを管理しよう。さらに付け加えると、振り込まれた入金金額は請求した金額と異なることが珍しくない。通帳履歴を売り上げの参考にすることはあるが、そのまま売り上げではないので注意したい。

源泉徴収と支払調書――帳簿の付け方の基本(2)

 原稿料などの報酬を企業が個人に支払いをする場合は、源泉徴収して振り込みを行う。例えば、1万円の原稿料を支払う場合、相手が編集プロダクションといった法人であればそのまま1万円を支払うが、個人には先に税金分を差し引いて8979円を振り込む。差し引かれた内訳は所得税の10%と復興特別税の0.21%(=10%×2.1%)。

  • 1万円−(1万円×10.21%)=1万円−1021円=8979円

 平成24年(2012年)までは復興特別税がなかったので1万円の原稿料であれば9000円が振り込まれたが、平成25年(2013年)から端数が発生するようになった。これにより通帳の入金金額を見て、その金額が合っているのか確認するためにいちいち電卓をたたかないと確認できなくなった。

 筆者のような個人事業主も「面倒くさくなった」と思っているが、編集の人も「面倒くさくなった」と言っているので、復興特別税による事務作業の増加は日本全体の損失になっているように思う。筆者が日本の税金はつぎはぎだらけと思う一面だ。

 確定申告の時期が近付くと源泉徴収をした企業から支払調書が届く。その年(この場合前年)にいくら支払って、いくら源泉徴収したかが書かれている。源泉徴収した分は企業がすでに納税済みですよ、というお知らせが支払調書だ。

支払調書 確定申告が近付くと取引先から支払調書が届く

 先ほどの発生主義の説明で、通帳に記載された振り込み金額が売り上げと異なると書いた理由の1つはこの源泉徴収だ。原稿料が1万円なら売り上げはあくまで1万円で、入金されたのは8979円は売り上げではないということだ。

 さらに入金金額が異なるもう1つの理由は振込手数料だ。企業によって振込手数料を差し引いて振り込んでくるケースがある。振込手数料が315円なら入金金額が8664円となる。この振込手数料はこちら側の経費として処理する。

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