企画を競って業界全体を盛り上げよう――「鉄旅オブザイヤー2013」審査後記杉山淳一の時事日想(4/4 ページ)

» 2014年02月14日 08時00分 公開
[杉山淳一,Business Media 誠]
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 欧州の鉄道旅行ガイドサイトとして「レイルヨーロッパ」というサイトがある。これの日本版「レイルジャパン」のようなサイトが、すべての旅行会社の鉄道ツアーを網羅したら便利だ。あるいはもうどこかにあるだろうか。それとも私が思うほど需要がないのだろうか。

 そしてもうひとつ。審査にあたって自分が「減点法」思考だと気づかされた。どのツアーも魅力的であったとはいえ、点数を付けなくてはいけないから、「このツアーはここがダメ」「こっちはこれがダメ」と減点していった。そうしていくうちに、だんだん選考作業がつまらなくなってきた。各作品の評価も低いところで横並びになった。そこで発想を転換し、各ツアーのよいところを挙げて「加点法」に切り替えた。すると気分的にも前向きになり、各ツアーの魅力がどんどん増して、評価が楽しくなった。

 鉄道旅行に限らず、私は今まで、ほとんどの物事を「減点法」「消去法」で選ぶ傾向にあったようだ。そういえば世の中も「けなす」声が大きく「褒める」声が小さい気がする。けなす方向は気分が滅入る。景気が悪くなる一方だ。多くの人々が、物事のよいところを見つけようとしていけば、この世はもっと明るくなるだろう。これからは「褒める」に力を入れよう。

鉄旅オブザイヤー 受賞作品

受賞作品
グランプリ 「北陸本線100周年記念号の旅 」(株式会社日本旅行)
準グランプリ 「クラブツーリズム貸切トワイライトエクスプレス車両で稀有な刻 瀬戸の絶景・呉線『ランチクルーズ列車』の旅3日間」(クラブツーリズム株式会社)
審査委員特別賞 「ミッドナイト撮影会 in 銚子電鉄」(株式会社日本旅行)
審査委員特別賞 「広田 泉さんと訪ねる 南三陸の今」(株式会社日本旅行)
ルーキー賞 「廃線探訪シリーズ『(1)定山渓鉄道』『(2)夕張・三菱大夕張鉄道』の2本」(北海道オプショナルツアーズ株式会社)

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