ソニーから学ぶ 事業撤退の「引き際」数字のオモテとウラを学ぶコラム(2/4 ページ)

» 2014年02月10日 08時20分 公開
[眞山徳人,Business Media 誠]

ソニーのPC事業の業績推移を見てみよう

 前回のセブン&アイホールディングスに負けず劣らず、ソニーは数多くの事業を展開しています。

・エレクトロニクス5分野

(1)イメージング・ソリューション&プロダクト(デジカメ、一眼レフ、テレビ局用機器など)

(2)ゲーム(プレイステーションシリーズなど)

(3)モバイル・プロダクツ&コミュニケーション(携帯電話、スマホ、PCなど)

(4)ホームエンターテイメント&サウンド(テレビ、オーディオ機器など)

(5)デバイス(センサー、電池、メディアなど)

・映画分野

・音楽分野

・金融分野

 今回取り上げるVAIOはPC事業に当たりますので、上記の「モバイル・プロダクツ&コミュニケーション」(MP&C)の売上推移を見ていきましょう。

 MP&C分野のポイントは、この分野の中に「PC」という成熟期〜衰退期の産業と、「スマートフォン」という成長期の産業とが混在していることです。この2つを切り分けて分析する必要があるので、グラフでも内訳が分かるようにしました。

 ご覧いただいて分かるとおり、MP&C全体としてはしっかりと伸びを見せていますが、PCを中心としたパーソナル・モバイルプロダクツに関しては、むしろ業績の足を引っ張っているようにも思えます。

 ただ、これだけの材料で、ソニーがPC事業を売却する決断が“正しかったかどうか?” は、まだ分からないのが正直なところ。

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