オリンピックがもっと楽しくなる? こんなにあった「スポーツの男女差」博報堂・吉川昌孝のデータで読み解く日本人(1/4 ページ)

» 2014年02月07日 08時00分 公開
[吉川昌孝,Business Media 誠]

吉川昌孝のデータで読み解く日本人:

 30年以上にわたり生活者を研究し続けてきた「博報堂生活総合研究所(生活総研)」。同研究所の主席研究員である吉川昌孝氏が、生活総研オリジナル調査「生活定点」などのデータを用いて、“時代の今とこれから”を読み解きます。

 「生活定点」とは、1992年から20年間にわたって隔年で実施している時系列調査。衣食住から地球環境意識に至るまで、人々のあらゆる生活領域の変化を、約1500の質問から明らかにしています。現在、生活総研ONLINEで20年間のデータを無償公開中。こうした生活者データから得られる“ターゲット攻略のヒント”はもちろん、ビジネスパーソンの日々の仕事に役立つ“データを読み解く技術”などもご紹介していきます。


著者プロフィール:吉川昌孝

 博報堂生活総合研究所研究員、および動態研究グループ・グループマネージャー。1965年愛知県生まれ。慶應義塾大学商学部卒、同年、博報堂入社。マーケティングプランナーとして得意先企業のマーケティング戦略立案業務を担当。2003年より生活総合研究所客員研究員となり、2004年より生活総合研究所に異動。2008年より未来予測レポート『生活動力』のプロジェクトリーダー。著書に『亞州未来図2010−4つのシナリオ−』(阪急コミュニケーションズ・共著)、『〜あふれる情報からアイデアを生み出す〜「ものさし」のつくり方』(日本実業出版社)などがある。


 ソチ冬季オリンピックが2月7日に開幕しました。スポーツの話題が盛り上がる昨今ですが、みなさんは「スポーツする派」「みる派」どちらですか? 今回は、やるかやらないかとはちょっと違う、男女差という観点から、スポーツ意識やその行動の傾向を明らかにしました。男性、女性それぞれのスポーツ特性を知って競技を見たら、オリンピックがもっと楽しくなる? かもしれません。

「スポーツをする・したい」男子

 まず、スポーツをしているのは男性、女性どちらでしょうか。「1年を通して、何かスポーツをしている」の経年変化を見てみると、常に男性が女性を10ポイント以上リードし、30%以上の水準で推移していることが分かります。さらに「増やしたい時間:スポーツにかける時間」もほぼ同様の傾向で、男性が女性を10ポイント以上リード。この項目も男性30%以上、女性20%前後の水準で推移しています。

 スポーツに能動的に取り組むのは、どうも女性よりも男性という傾向があるようです。特に「1年を通して、何かスポーツをしている」の男性の年代別の傾向を見てみましょう。1998年には20代43.4%から60代25.2%と若年層から高齢層の間で20ポイント近くあった差が、2012年には20代から60代までが30.7%から37.7%と7ポイント以内に収まるほど、年代差がなくなっています。特に60代の上昇が特徴的で、ここ数年で男性は年代にかかわらず、スポーツを日常的に行う人が増えていると言えるでしょう。

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