あれ、もうないの? コンビニで新商品の“寿命”が短い理由ご一緒に“おでん”いかがですか(3/5 ページ)

» 2014年01月30日 08時22分 公開
[川乃もりや,Business Media 誠]

商品寿命が短くなった要因

 商品寿命が短くなった要因はどこにあるのだろうか。その1つに「情報伝達スピード」が関係している、と筆者は見ている。SNSなどにより、昔と比べ情報伝達スピードは格段に早くなっている。結果、消費者は「この商品が売れている」という認識が早くなり、「じゃ、一度買ってみるか」という行動パターンが生まれやすくなっている。試しに購入したものの、その商品がイマイチだと判断すれば、もう2度と買わなくなる。この一連の流れが早くなっているのだ。

 もう1つの理由として、新しい味覚を感じられるモノがなくなってきたことが挙げられる。年輩の人はご記憶があるかと思うが、その昔「ナタデココ」という商品が一世を風靡した。ナタデココのヒット要因は「今までになかった食感」だった。

 多くの新商品は、消費者の想像を裏切るモノではない。新しいのはパッケージや形だけということも多いので、“新しい”という理由だけで購入する人が少なくなってきているのではないだろうか。

 新商品に対する購入動機が低くなっているのにも関わらず、毎週大量の新商品が出続けていることに、違和感がないわけでもない。しかしメーカー側は、パッケージだけのリニューアルでも、何もしないよりも何かしたほうがまだマシ、と考えているのだろう。

 一方、店舗側にとって、パッケージ変更だけの新商品は“迷惑”な存在なのだろうか。それは違う。新商品が入ってくることで、売り場のレイアウトを変更するきっかけになるからだ。お客さんが店に入って、「お、なんだか雰囲気が変わったな」と思ってくれるだけで、何らかの効果はあるだろう。また新商品は仕入れ条件が良いので、もうけるために新商品の入れ替えスピードは早いほうがいいのだ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.