ルーツは病院にあった? 今年46歳、ボンカレーの過去仕事をしたら“レトルトカレー”ができた(前編)(2/5 ページ)

» 2014年01月29日 00時00分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

土肥: うーん、難しいですねえ。ヒントをいただけますか?

垣内: レトルトの袋(パウチ)をよーく見てください。何かに似ていませんか? 病院で使われている点滴の殺菌技術を応用したんですよ。現在の袋は銀色ですが、当時のモノは半透明。しかし、半透明の袋は光と酸素によって風味が失われてしまうので、賞味期限は夏場2カ月、冬場3カ月でした。2〜3カ月では短いので、アルミ製の袋にしました。その結果、賞味期限が2年になりました。

土肥: いま垣内さんはサラッと話されましたが、たった1年でものすごいモノを開発されたわけですね。その後、殺菌技術は進化していくのでしょうか?

垣内: いえ、基本的には全く変わっていません。圧力をかけながら熱をあたえて殺菌していくのですが、当時の釜はまだ工場にあるんですよ。

土肥: それは記念に置いているんですか? 新人を教育するときに「この釜を見て、当時の苦労を思い出せ!」といった感じで(笑)。

垣内: いえいえ、きちんと動いていますよ(笑)。

土肥: なんと! その釜は45年間もレトルト食品をけなげに作り続けているんですね。

垣内: もちろん、その後、新しい機械がたくさん導入されています。ただ新しい機械の原理は、初期のモノと全く同じなんですよね。

1968年の発売当初から稼働しているレトルト釜

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