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» 2014年01月22日 00時00分 UPDATE

新連載・数字のオモテとウラを学ぶコラム:セブン&アイが、過去最高益を計上した理由 (1/3)

セブン&アイ・ホールディングスが、2013年3〜11月第3四半期で過去最高益を計上しました。同社は誰もが知るコンビニやスーパーのチェーン店を抱えていますが、なぜこのタイミングで最高益を実現することができたのでしょうか。決算短信を見ると……。

[眞山徳人,Business Media 誠]

数字のオモテとウラを学ぶコラム:

 企業のWebサイトを見てみると、プレスリリースのほかにも、決算情報や月ごとの業績資料など、参考になる情報がたくさん眠っています。主にマスコミや専門家向けに公開されているものですが、実はビジネスパーソンにとってもためになる資料なのです。「企業→マスコミ→自分」という情報の流れのほかに、「企業→自分」という情報の流れを持つことは、スピード感が求められる今のビジネス社会では、大きな“武器”になるでしょう。

 この連載では、企業が発表するプレスリリースや決算短信などを題材に「なぜこのような発表が行われるのか?」「この発表の舞台裏では何が起こっているのか?」「今後、この企業はどうなるのか?」という疑問に対して、著者がときに答え、ときに推測します。


著者プロフィール・眞山徳人:

 公認会計士。大手監査法人にて、監査業務のほか、管理会計の導入から経営ビジョンの策定にいたるまで、さまざまな種類のコンサルティング業務に従事。また、大学や大学院でのインターンシップ研修の運営や各種企業研修での講師も担当。

 難しい会計やビジネスの世界を分かりやすくひも解き、「中学生でも分かるように」説明することを信条としており、書籍や雑誌でも物語や漫画などの形式で会計の仕組みを解説している。座右の銘は「できるときに、できることを、できるだけ」。誠ブログ「公認会計士まーやんの『ロジカるつぼ』」を連載中。


 セブン&アイ・ホールディングスが、2013年3〜11月第3四半期(以下、当四半期)で、過去最高となる2489億円の経常利益を計上しました(参照リンク、PDF)

 セブン&アイ・ホールディングスといえば、「セブン-イレブン・ジャパン」や「イトーヨーカドー」など、誰もが知っているコンビニ・スーパーのチェーン店を抱えている巨大企業。そんな同社が最高益を実現したのは、実に5年ぶりのこと。

 今回は「セブン&アイ・ホールディングス」が公表している決算短信を見ながら、最高益を実現した要因を一緒に考えていきましょう。

「セグメント情報」を見ると、もうかっている事業が分かる

 厳密に言うと、セブン&アイ・ホールディングスという会社はほとんど利益を上げていません。同社は子会社や関連会社の株式を保有しているだけで、実際の事業運営は行っていません。冒頭に紹介した「2489億円」は、それら子会社などを加えた「連結ベース」の業績というわけです。

 セブン&アイ・ホールディングスには多数の子会社があります。前述の「セブン-イレブン・ジャパン」や「イトーヨーカドー」に加えて「そごう・西武」「セブン&アイ・フードシステムズ」「セブン銀行」など、いろいろな業種にわたる企業群がスクラムを組んで、9カ月ベースで2500億円近くもの利益を上げたことになります。

 セブン&アイ・ホールディングスのグループ会社のうち、特にもうかっているのはどの業種でしょうか? そんな内訳を見たいとき、便利なのが「セグメント情報」です。

 セブン&アイ・ホールディングスの決算短信に掲載されているセグメント情報では、「コンビニエンスストア事業」「スーパーストア事業」「百貨店事業」「フードサービス事業」「金融関連事業」「その他の事業」の6つに分けて、営業収益(売上高と思っていただいて結構です)とセグメント利益が表示されています。

 やはり断トツでもうかっているのは「コンビニエンスストア事業」。セブン-イレブンのチェーン展開だけで、実に1724億円ものセグメント利益を計上。前年同期と比べても250億円ほど利益を増額させています。今回の最高益に貢献しているのは、この「コンビニエンスストア事業」と考えて間違いないでしょう。

 ちなみに、次に利益額が多いのは「セブン銀行」が属する金融関連事業です。一方、そごうや西武などの百貨店事業は赤字を計上していることが分かります。

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