もう振込用紙を持って来ないで! コンビニが「収納代行」を止めたい理由ご一緒に“おでん”いかがですか(3/4 ページ)

» 2014年01月16日 09時18分 公開
[川乃もりや,Business Media 誠]

コンビニの本音

 コンビニの本音は、ズバリこうだ。「収納代行はコンビニ以外のところがやってほしい」――。

 最近は「クレジット払いのみ」というサービスも出てきている。利用者側も「クレジットカードで支払ったほうがポイントが付くので、メリットが大きい」と感じているのではないだろうか。電気・水道・ガス・電話……もろもろの支払いはクレジットで、という流れが主流になると、コンビニでの「収納代行」業務は役目を終えるだろう。

 コンビニで扱うサービスは増えるばかり……と思っている人が多いかもしれないが、実は終了したサービスもある。例えば、写真印刷サービスだ。指摘されて「そーいえばあったなあ」と思い出した人も多いだろう。デジカメを利用する人が増えたので、写真現像の受付は終了したが、今ではコピー機でプリントできるようになっている。写真現像のように、収納代行も将来的には形を変えるのかもしれない。

「コンビニATM」が出現

 コンビニが「収納代行」を行うようになって、お客さんのコンビニ利用法が大きく変化した。同じように大きな変化をもたらしたのが、「コンビニATM」の出現だ。

 銀行の窓口取引時間は「午後3時まで」(一部例外あり)。「お金を振り込みたいのに、仕事があってできない。なぜ銀行の窓口は午後3時までなの?」――こんな不満を感じている人も多いはず。ライフスタイルの変化などから、銀行は使い勝手の悪いモノになっていたのだ。

 24時間営業のコンビニにATMを設置することで、現代人のライフスタイルをバックアップすることになった。ただ、注意も必要。取引銀行や取引内容によって、稼働時間に違いがある。なぜ稼働時間が違うのかというと、“ATMはコンビニに置いているだけ”だから。つまり、コンビニ内にあるATMは銀行の「出張所」扱いなのだ。

 コピー機にしてもFAXにしても、店が管理しているが、ATMだけは、手を触れてはいけない。お金の補充からナニからナニまで、銀行から委託された警備会社が対応する。

 例えば、キャッシュカードが機械に吸い込まれ、取り出せなくなるケースがある。当然、お客さんから「どうにかなりませんか?」と頼まれるのだが、コンビニのスタッフが機械をこじあけて、カードを取り出すことはできない。お客さんに事情を説明して、警備員がやって来るまで待ってもらわなければいけないのだ。

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