静岡の人は「防災」意識が高い……でも「備蓄」はあまりしていない

» 2014年01月08日 16時59分 公開
[Business Media 誠]

 普段から「防災」について意識している人はどのくらいいるのだろうか。東京、静岡、大阪、兵庫に住んでいる人に聞いたところ「意識している(ややを含む)」と答えたのは、東京で72.4%、静岡で73.0%。一方、阪神・淡路大震災を経験した大阪と兵庫はそれぞれ60.7%、63.2%と、東京・静岡に比べて1割ほど低いことが、生活トレンド研究所の調査で分かった。

防災意識について(出典:生活トレンド研究所)

 日頃から行っている防災対策について聞いたところ「食糧や水を備蓄している」と「防災グッズを買いそろえている」については、東京と静岡で目立った。また「地域の防災訓練や防災教室などに参加したことがある」については、静岡が他の都府よりも倍以上高い。

 この結果について、防災に詳しい和田隆昌氏は「『防災訓練自体どこでやっているのか知らない』という人も多いのでは。『特になにもしてない』と答えた人が大阪、兵庫ではともに30%ほどだったことからも意識の低さがうかがえた。一方、静岡は防災訓練が活発に行われている地域で、東海地震の危機が叫ばれ始めた1970年代より継続的に続けられている。ここ数年『南海トラフ巨大地震』の発生リスクに対する報道でまた危機意識が高まり、避難訓練への参加は多くの住民が体験している思う」とコメントした。

備蓄について

 いざというときのために、どの程度の量を備蓄しているのだろうか。備蓄をしている人に聞いたところ、「世帯人数全員が3日間過ごせる程度」と答えた人が最も多かった。意外にも静岡については「7日間」「3日間」ともに他の都府より少ないことが明らかに。

 この結果について、和田氏は「東京や大阪などの都市部では、地域住民全体で災害に対応するという意識が希薄なため、災害には個人(家族)で対応するしかないと思っている人が多いのでは。一方、静岡では『いざとなれば隣近所で支えあう』『あるもので何とか間に合わせる』という人が多く、備蓄への意識が低いのかもしれない」と分析した。

備蓄の程度(出典:生活トレンド研究所)

 インターネットによる調査で、東京・静岡・大阪・兵庫に住む男女2628人が回答した。調査期間は2013年12月5日から11日まで。

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