就活や転職、若年層を中心としたキャリアについて、仕事柄仕方なく詳しくなったサカタカツミが、その現場で起きている「当事者たちが気付いていないフシギ」について、誰にでもスルッと理解できるように解説するコラム。
使えない部下が毎年出現するのはなぜなのか? その理由も、垣間見えるはずです。
クリエイティブディレクター。1967年生まれ。長年、就職や転職、キャリアに関するサービスのプロデュースやブレーンを務めている関係で、就活や転職には詳しい。直近でプロデュースしたサイトは「CodeIQ」。著書に『こんなことは誰でも知っている! 会社のオキテ』、『就職のオキテ』がある。
個人的に書いている就活生向けのブログは、なぜか採用担当者たちから「読んでいて心が痛くなります。ホントにつらいです」という評価を受けている。Twitterアカウントは@KatsumiSakata。
あけましておめでとうございます。今年も本連載をよろしくお願いします。と簡単に挨拶をしたところで、さっそく本題へ入りたいと思います。
就活や転職の周辺事情は、この連載を開始した2年ちょっと前と比較しても大きく様変わりしつつあります。企業と人、人と人とのコミュニケーションの形が以前とは違ってきて、そのつながりの変化とともに、就活や転職のスタイルも変貌してきているのです。
そこで、新年第一弾となる今回は、2014年の就活シーン、転職シーンの周辺で、おそらく鍵になるだろうというキーワードを4つ選んでみました。今年はこういう話をよく耳にすることになると思いますよ、という予想を少しだけしてみたいと思います。どうぞお付き合いください。
新卒一括採用を中心とした、いわゆる“シューカツ”に対して反対している人の多くは「画一的で気持ち悪い。同じ時期に同じ服装をして、同じように会社を訪問したり面接を受けたりと、まるで自由がない」とか「新卒の時点で就活に失敗してしまうと、その後のリカバリーが効かない。企業も新卒にこだわって採用しているので、既卒になると負け犬も同然だ」などと、猛烈に批判します。確かにそういう側面があることは否めないとは思いますが、最近では少しずつ風向きが変わってきています。
これは、クックパッドのエンジニア向けのインターンシップ開催のお知らせページです。注目してほしいところはいくつかあるのですが、最も大きいのは応募資格です。
- 2015年4月に、エンジニアとしての入社が可能な方(既卒の方もご応募可能です)
- プログラミング経験がある方
応募資格はシンプルに2つだけ。しかも、新卒既卒は問わないとしています。もう1つの注目ポイントは、2015年4月に入社できる人を募集しているということです。裏を返せば、既卒で、現在別の仕事に就いている人でもこのインターンシップに応募して、2015年4月に入社できるかもしれない(もちろん、在職しながらのインターンシップへの参加は難しいことは承知していますが、あくまで可能性として)。もしかしたら、入社までの猶予期間を使って、海外に出かけてみたり、自分のスキルをさらに高めてみたりと、ギャップを活用できることも考えられる。
企業にしても、新卒既卒の枠にこだわるべき職種とそうでない職種があることを認識し、柔軟に、そして欲しい人材を確保するためには何をすべきなのかということを、最大限考え始めています。この流れはおそらく、今年加速するでしょう。企業の採用ページなどを見るとサラッと掲載されているので、なかなか気がつきませんが、実は多くの企業がトライし始めています。新卒で就活に失敗したと落ち込んでいる人も、ていねいに探してみてください。良い出会いがきっとあるはずです。
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