本連載は、俣野成敏著、書籍『プロフェッショナルサラリーマン――実践Q&A編』(プレジデント社)から一部抜粋、編集しています。
『プロフェッショナルサラリーマン』と『図解版 プロフェッショナルサラリーマン』で熱狂的支持を集めた俣野成敏氏、待望の新刊。
プレジデント社のWebサイト「PRESIDENT Online」に寄せられた仕事や職場に関するビジネスマンの悩みに俣野氏が答えた、リアルなQ&Aをまとめた1冊。
上司部下、同僚との関係や、職場環境、キャリアや勉強法まで様々な悩みを、“いま"という時代を捉えつつ俣野氏が鮮やかに回答した47編のQ&A。
Web上には露出せず書籍のみに収録したQ&A特別編数点のほかに、日本一有名なサラリーマン「島耕作」の作者、弘兼憲史氏と俣野氏との対談も特別収録した。組織、仕事、そしてプロとは何か……。
真のプロフェッショナル2人の言葉があなたの未来を拓く!
(Q)会社の経営陣に疑問を感じています。彼らは1970年代から80年代に入社して、今は経営陣におさまりました。彼らの多くは精神論をぶって人の批判はできても、ロジカルな判断や生産的な提案はできません。自分より優秀な人を嫌い差別して組織を悪くしているように感じます。自分たちで変われないなら、他者の力を利用してでも経営の問題を解決すべきでしょうが、数年前にそういった施策をとろうとして外部の方と仲違いしてしまいました。このままでは会社の先行きが非常に心配です。(卸売・サービス、女性、41歳、入社18年目)
(A)これは日本の多くの大企業が抱える構造的な問題で、同じような会社は多いと思います。それだけにとても大きなテーマです。
景気のいい時代に入社し、年功序列で今の地位を得た経営者が、今になって会社を行き詰まらせてしまっているというのが典型的なパターンではないでしょうか。
その一因は、経営陣が会社全体を見る立場になっているにもかかわらず、中間管理職のプレーイングマネジャーの発想のままで自らのスタイルを変えないことにあります。
彼らは中間管理職として部や課など小さな単位での部分最適を追求することには長けているから出世できたわけですから、そのスタイルにはこだわりを持っています。
しかし課長を10年やっても経営者の資質が身につくわけでもなければ、残念ながら部分最適をすべて集めて組み合わせたところで、全体最適にはなりません。中間管理職の采配であればそれも致し方ないとしても、経営者になっても部分最適しか考えないようでは、会社全体がおかしくなっても仕方ありません。
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