なぜコンビニはこの期間、変化の振れ幅が大きいのだろうか。理由は2つある。1つは「売り場面積が狭い」ので、大きなイベントを2つ同時に展開できない。もう1つは、コンビニならではの「物流システム」によって、変化のスピードを加速させているのだ。
多くの人はご存じだと思うが、コンビニは「小口発注」が基本となっている。日用品を例に挙げると、モノによっては1個から発注が可能だ。コンビニは1店舗を1店舗ととらえていない。ん? どういうこと? と思われる人も多いだろうが、“地域で仕入れをする”という感覚なのだ。
例えば、1ケース12本のモノを物流センターで仕入れる。それを12店舗で分けて発注することができる。物流センターはモノを整理するだけでなく、ケースをバラして納入する役割も担っているのだ。
なぜコンビニが地域に集中して出店するかというと、効率的にモノを運べるから。「ドミナント効果」という言葉を一度は聞いたことがあると思うが、ドミナントとは「支配的」「優位に立つ」といった意味をもつ。ある地域に集中して出店することによって、そこのシェアを高めることができる。それだけではなく、物流センターが効率的に配送できるメリットがあるのだ。
しかしこの物流システムは、メリットばかりではない。前述したとおり、コンビニは「小口発注」が基本なので、商品がどうしても割高になってしまう。もちろん仕入れ割引がないわけではないが、大口で仕入れるスーパーには価格面でどうしても負けてしまうのだ。
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