吉岡: それだけに、シェリル・サンドバーグの『LEAN IN』を読んだ時にはかなり驚きました(参照記事)。女性は優秀な人でも自己評価が低い、出しゃばるのはよくないと思ってためらう、専門職志向が強い傾向がある……彼女が書いていることは、まるで日本の話みたいでしたよね。「米国でもそうなのか!」と驚きました。そして、米国でこの状態ということは、日本はもっとその傾向が強いだろうと。
坂本: 本当に。女性の部下がいる男性マネージャーにはぜひ『LEAN IN』を読んでほしいと思います。本を読むのが大変であれば、せめてTEDのプレゼン動画(15分、参照リンク)だけでも見て、傾向として女性は自己評価が低い、というのを分かった上で、女性の部下の背中を押してあげてほしいですね。
一般的に、女性の場合「昇進したい」「もっと高い給料が欲しい」という人は少ないです。「管理職になりたい」という女性も少なく、「(目の前の)仕事はしっかりやりたい」という専門職志向が強い傾向があると言われています。だからこそ、「感謝されたり、認められることがうれしい」という、男性とは違うスイッチを押してやる気にさせてあげてほしい。
企業で成功した女性のサクセスストーリーは、本人の頑張りや能力の陰に、理解ある上司のサポートがあることが多いんですね。逆に、上司が「女性はすぐに辞めるから」と決めつけていては、成長のチャンスを与えられずに終わってしまうということです。
『LEAN IN』にも書かれていますが、男性に比べると、女性は能力があっても「私には無理なのではないか」と遠慮してしまう傾向があります。女性社員の活躍を本気で進めようと思ったら、自己評価の低さを織り込んだ上で、経営陣や管理職が「自信を持ってやってごらん」と背中を押し、意識的に女性を育成していく必要があると思います。
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