娘と父のマジトーク(その7)「男子はいいよね、ふざけあっているうちに仲良くなれて」父と娘の週末トーク(4/4 ページ)

» 2013年12月20日 22時00分 公開
[シックス・アパート 中山順司,Business Media 誠]
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大人になると、親友を作るのは難しい

父: 大人になるとさ、親友ってできにくくなるから、学生時代の友達を大切にするのがいいよ。

娘: そーゆーもん?

父: うん、真の友人関係が築けるのは学生時代まで。社会人になったら、知人は増えるけど、友達はできない。賭けてもいいけど、どの大人でも同じこと言うよ。

娘: 知人と友達の違いって何だろう?

父: んー、例えばだけど、友達同士で敬語は使わないよね?

娘: あ! 確かにそうだね。

父: (ヒソヒソ声で)例えば、このカフェにも、仲よさそうにしゃべってる大人が何組もいるけど、大人って、ほぼ敬語で会話してない?

娘: (同じくヒソヒソ声で)言われてみれば、ほとんどの大人の会話って敬語だよね……。

父: でしょ?表面上は、仲睦まじくおしゃべりしてても、「〜〜ですか?」、「〜〜ですよね」みたいな「ですます調」の丁寧な言葉を使いあってたら、仲のいい知人ではあるけど、なんでも言い合える友達ではない、んじゃないかな。

娘: 語尾でだいたい見分けがついちゃうね。

父: ヘンな表現だけど、敬語で話し合っている大人を見たら、「あぁ、本当の友人同士ではないんだな」って言えてしまう、と。

娘: 大人の会話って、ほとんどの場合、敬語が混じってるもんだよね。考えたこともなかったな……。

父: 大人になっちゃうと、計算して付き合う相手を選んだり、選ばれたりしちゃうのよ。友達のフリをしなきゃいけないシチュエーションってのもあるんでね(笑)。

娘: ……(無言)。

父: 「ぜひ今度、食事に行きましょう!」って心にもないことを言うし、その気がなくても、「近くにお越しになったら、我が家にお立ち寄りくださいね」って満面の笑みで言うしね。相手も、来る気ゼロでも「ぜったい行きます!」って言ってくれるし。あ、べつに嫌いとかじゃないよ。相手を不快にさせない大人のマナーね。

(写真はイメージです)

娘: なんか……中学生には重たいわ。あまり聞きたくない(苦笑)。

父: だからこそ、気を遣わずに話せる友達は大切ってことよ。

娘: そっかぁ。でもさ、学生時代の友達は、大人になっていくうちに、離れ離れになっちゃうよ?

父: 距離は関係ないでしょ。現に結婚式のために、フィラデルフィアまで飛ぶことだってあるんだから。サオリの今の親友とだって、関係は大人になっても続いていくもんさ。

娘: ふーむ、そうか……。私がオバサンになっても、みんなと仲良しでい続けられたらいいな。


 今回は、まるで父親が娘の人間関係を掌握するようなトークになってしまいましたが、本人は喜んで交友関係を話してくれたので、ほっこりした雰囲気の中で話せました。我が子がどんな人間関係を築いているのか、誰と仲がいいのかというのは、親としてざっくりでも知っておくと良いのではないでしょうか。なにかトラブルを抱えたとき、たいていは人間関係が起因しているように思います。我が子の異変を察知してあげられるという意味でも、子供の交友関係が話せたということは、有意義でした。

 幸か不幸か、男子はさほど意識していないようで、友人関係を作るまでにはなってないようです。それにしても、女子からは男子は幼く見えるものなんですね。確かに、自分の当時の様子を思い返してみても、プロレス技をかけあったり、マンガの話題で盛り上がったり、何も考えずに生きていました。

 そうそう、これを書いているたった今、恥ずかしい過去を思い出しました。中学一年生のとき、当時流行っていた『ブラックエンジェルス』という少年マンガの登場人物になりきって、キャラの名前で呼び合うごっこをしていました。「ねえねえ、今日からさ、オレのこと飛鳥(アスカ)って呼んでよ!」「え〜〜、お前は飛鳥ってキャラじゃねーよ」「頼むよ〜飛鳥がいいよぉ〜〜お願い、飛鳥って呼んで〜」って、やってましたわ。なぜにそんなに飛鳥にこだわっていたんだろう・・・。

『ブラック・エンジェルズ』は、1981〜1985年に集英社の『週刊少年ジャンプ』で連載されていたマンガ。法で裁かれない悪を陰で処刑していく、現代版「必殺仕事人」のようなハードな内容で人気を博した。現在は実写版が制作され、DVDとして販売されている

 さすがに、中学生時代のブラックエンジェルスごっこの話は、娘には伝えませんでした。ただでさえ、私の父としての威厳は風前の灯火なのに、そんなことを話した日には、完全に消し飛ばされてしまうからです。

著者紹介:中山順司(なかやま・じゅんじ)

 1989年、高校卒業と同時に、極寒のアイオワ州の全寮制高校に入学。唯一の日本人として七転八倒で英語を学び、1990年にCovenant College(米・Georgia州)入学。エチオピア、インド、ウガンダ、ガーナ、南アフリカ、ペルー、韓国の留学生らと共同生活を送りつつ、心理学、生物学、社会学を専攻。1994年に卒業。

 白い犬で有名な某携帯電話キャリアに新卒入社し、マーケティングと営業に携わる。2000年にネット業界に転身。旅の窓口(現楽天トラベル)で観光旅行コンテンツビジネスを立ち上げ、その後始めた個人ブログがキッカケで、ブログソフトウェアベンダーのシックス・アパートに入社。マーケティング、営業を経て、現在はコミュニティ・マネージャーを務める。三度の飯より、サッカーと自転車が好き。

■誠での過去記事

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